【一般演題 7】

反回神経麻痺の診断における体表エコーの有用性

千葉大学第一外科
 失形 寛、鈴木正人、長嶋 健、橋本秀行、宍倉朋胤、今中信弘、
 笠川隆玄、榊原雅裕、中島伸之

 近年超音波機器の進歩普及により簡便に甲状腺をはじめとする頸部疾患のスクリーニングが行えるようになった。一方、体表エコーにより声帯の動きを詳細に検討した報告は過去にみられるもののー般にあまり認識されていないようである。今回我々は体表エコーにて声帯の動きを観察しその特徴について評価するとともに、反回神経麻痺の診断における有用性を合わせて検討した。
 方法は患者を頸部伸展位とし、10MHzのプローブを甲状軟骨の前面に当て、声帯の動きがもっとも捉えられる位置において呼吸や息止めの際の動き方を評価する。
 声帯の動きは検査した大半の症例で観察可能であった。通常息止めにより呼吸時には弱かった高エコー帯が増強してくるとともに、主に下から上への素早い動きが左右対称性に観察された。反回神経麻痺オ症例では麻痺側における声帯の動きは観察されなかった。
 この手技は簡便かつ非侵襲的であり、苦痛を全く伴わないことから反回神経麻痺の診断に極めて有用な方法と考えられた。

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