【一般演題 3】 自己免疫性白血球減少症を併発したバセドー氏病の二例 千葉大学第二内科、鹿島労災病院1) 中村 晋、内田大学、野口義彦、竹尾愛理、大塚優子、金子堅太郎1)、 浅海 直、西村 基、龍野一郎、齊藤 康 【症例1】症例は41歳女性。平成8年時に甲状腺異常を指摘されるも放置。平成11年9月に動悸、倦怠感にて他院入院時に意識障害、発熱を発症しバセドー氏病による甲状腺クリーゼと診断され当院転院となった。当初甲状腺機能亢進に対して無機ヨードとチアマゾール投与を施行、しかし経過中に顆粒球減少あり同剤を中止するも遷延するため骨髄穿刺を施行したところ骨髄は正〜過形成であった。またG-CSFの単回投与にて顆粒球の過剰な増加反応がみられたが中止にて再び急激な低下がみられた。 【症例2】症例は45歳女性。33歳時にバセドー氏病と診断されー時服薬したが37歳時に転居を契機に内服を自己中断していた。平成11年10月に39℃の発熱、意識障害出現し甲状腺クリーゼ、無顆粒球症の診断にて近医緊急入院しステロイド、無機ヨードの投与にて症状軽快するも、その後チアマゾール内服中に再び発熱、無顆粒球症となり入院、骨髄穿刺所見では正〜過形成を示した。精査のため平成12年1月に当院入院となった。 上記2症例ともバセドー氏病に無顆粒球症を伴ったものであるが両者とも骨髄穿刺所見では正〜過形成を示しており造血能の低下所見が無いことより、自己免疫性の顆粒球減少が考えられた。甲状腺疾患においては治療時における抗甲状腺剤の副作用による無顆粒球症はよく知られるところであるがバセドー氏病そのものに併発する無顆粒球症は非常に稀であり報告する。 プログラムに戻る |