【一般演題 1】 一過性に甲状腺ホルモン高値を呈した急性化膿性甲状腺炎の2例 :ステロイド内服中の症例を含め 千葉大学小児科、同耳鼻咽喉科1) 木下 香、染谷知宏、永沢佳純、数川逸郎、和田京子、渡邊智之、 皆川真規、南谷幹史、安田敏行、河野陽一、仲野公一1)、沼田 勉1)、 今野昭義1) 急性化膿性甲状腺炎は甲状腺実質炎により血中サイログロブリンは上昇するが甲状腺ホルモン値は正常レベルである。fT4上昇、TSH抑制を伴う本症を2例経験し、うち1例ではステロイド内服により症状が修飾されたと考えられ超音波による診断過程を含め報告する。 [症例1]13歳女児。発熱、咽頭痛、左前額部に有痛性腫脹を認め、超音波所見、サイログロブリン高値より急性化膿性甲状腺炎と診新した。経過中甲状腺機能亢進症状は認めなかったが、fT4は上昇、TSHは抑制されていた。PAPM/BP 2週間投与にて軽快し、1ケ月後甲状腺機能は正常化した。咽頭食道造影にて左梨状窩瘻を描出したが、その後再発なく瘻孔摘出術をせずに経過観察中である。 [症例2]2歳男児。重症筋無力症のためステロイド隔日内服中、発熱、強い炎症反応にて発症。8病日こ発赤、熱感、疼痛を伴わない左前頚部腫瘤が出現した。超音波所見、サイログロブリン高値より急性化膿性甲状腺炎と診断した。経過中甲状腺機能亢進症状は認めなかったが、fT4は上昇、TSHは抑制されていた。抗生剤に反応不良のため、切開排膿、左梨状窩瘻摘出術施行し軽快した。 プログラムに戻る |