【一般演題3】

題 名: 当科における甲状腺癌非手術経過観察症例の検討
所 属: 千葉大学医学部附属病院第一外科
氏 名: 宍倉朋胤、鈴木正人、長嶋 健、矢形 寛、橋本秀行、
     今中信弘、笠川隆玄、榊原雅裕、中島伸之
内 容:
甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌)は比較的予後良好な癌であり、遠隔転移を伴わない直径5mm以下の微小癌については、手術を行わずに経過を観察しても、多くの腫瘍では進行が認められないという報告もなされている。
今回我々は、当科における甲状腺癌非手術経過観察症例について、その適応を示し、経過観察症例の総括と具体的な症例を数例供覧する。
当科では(1)単発の、(2)乳頭癌か濾胞性腫瘍であり、(3)甲状腺皮膜浸潤の疑いが無く、(4)遠隔転移を伴わず、(5)超音波最大径が5mm以下の微小癌で、(6)増大や未分化転化の可能性についての説明を理解した上で非手術経過観察を希望される症例を、非手手術経過観察症例の適応としている。
また、経過観察中の評価項目は頸部超音波による腫瘤径の測定と、血中サイログロブリン値を用い、基本的にTSH抑制療法を併用している。
現在当科にて非手術経過観察の対象となっている症例は、乳頭癌23例、濾胞性腫瘍4例の計27例で、観察期間は最長54.9ヶ月、平均18.2ヶ月、中央値は14.6ヶ月である。非手術経過観察中に手術となった症例は現在のところ1例も認めていない。




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