甲状腺の話−1

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甲状腺の病気
■甲状腺の手術

代表的な甲状腺の病気について、簡単にご説明いたしましょう。

1.橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病自体の症状は、甲状腺を触れると腫れている程度で他にはほとんどありません。有名なバセドウ病と橋本病とは親戚のような病気で、橋本病の人が途中でバセドウ病になったりすることもあります。女性は男性の20〜30倍多く、精密検査にやってくる女性の二人に一人はこの病気です。橋本病になると甲状腺ホルモンが不足するため「食べないのに太る」「寒がりになる」「便秘」「手足の皮膚がかさかさ乾いた感じなのにむくみっぽい」などの症状が出てきます。しかしホルモンが徐々に不足した人は体が慣れてしまい何も感じないことがあります。ひどくなると心臓の働きが落ちて苦しくなったり、ものを考えるのが遅くなり痴呆と間違われたり、さらには全身がむくんでしまう粘液水腫という状態になったりします。橋本病ではこの逆に甲状腺が壊れて一時的にホルモンがたくさん漏れだして、「イライラする」「動悸がする」「やせる」などの症状が現れることもあります。この場合、症状はバセドウ病をそっくりですが治療は全く異なりますので専門医による診断が必要です。

2.良性腫瘤
甲状腺(のど元)にできるしこりのほとんどはこの良性腫瘤です。
がんではないので、呼吸がしにくくなったり、物が飲み込みにくくなったり、声がかれたりすることはありません。しこりの中身は、甲状腺が育ちすぎて過形成になったもの(腺腫様甲状腺腫)や、水様物がたまったもの(嚢胞)などがあります。

3.悪性腫瘍
甲状腺のがんの約90%は乳頭がんと呼ばれるタイプのものです。乳頭がんの特徴は育つ速度が非常に遅いということです。このため、きちんと手術を受ければ予後は非常によく、最近の統計では手術後の10年生存率は92%以上と、他のがんと比べ圧倒的に良好です。治療法は手術・放射線・薬などを使い分けます。




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