携帯電話と脳腫瘍

BEFORE HOME NEXT

携帯電話と脳腫瘍



 総務省の発表によると、総務省生体電磁環境研究推進委員会で行った、「長期にわたる携帯電話の使用が脳腫瘍の発生に及ぼす影響」について明らかにするための実験の結果、脳腫瘍の発生への影響は認められないことを確認したそうです。

 実験は、「ラットに脳腫瘍を発生しやすいように化学的な処置を行った後、電波ばく露を行った群、ばく露装置に入れるが電波ばく露を行わなかった群、通常の飼育ケース内で飼育した群等のグループに分け、2年間の実験を行い脳腫瘍の発生を比較した」とのことです。

 電波の照射は、1日1.5時間、週5日間、脳に平均SAR 2.0W/kgと0.67W/kgの電波(1,439MHz PDC方式)を2年間照射したそうです。(※SAR=生体が電磁界にさらされることにより、単位重量に吸収される電力。電波法では、携帯電話端末等は、それらから発射される電波の人体頭部におけるSARを2.0W/kg以下とすることを義務付けている。)

 この実験の結果、下表のとおり、携帯電話の電波を長期間照射しても脳腫瘍及び脊髄腫瘍の発生には何ら影響は認められなかったとのことです。

 しかし、私の知人は、1日に2時間以上も携帯電話を使用し、また、2年以上使用し続けています。そういうヘビーユーザーについては、この実験ではまだ安心できないのではないでしょうか。

 逆に、そんなヘビーユーザー以外の方には朗報ではないかと思います。

(各群50匹ずつ) (各群50匹ずつ)
脳腫瘍に
なった数
脊髄腫瘍に
なった数
脳腫瘍に
なった数
脊髄腫瘍に
なった数
普通に飼育した群 0( 0%) 0( 0%) 0( 0%) 0( 0%)
化学的処置だけを
行なった群
9(18%) 3( 6%) 9(18%) 1( 2%)
化学的処置を行い
電波を照射する箱
に入れただけの群
15(30%) 2( 4%) 12(24%) 1( 2%)
化学的処置を行い
0.67W/kgの電波を
照射した群
9(18%) 3( 6%) 15(30%) 0( 0%)
化学的処置を行い
2.0W/kgの電波を
照射した群
8(16%) 2( 4%) 11(22%) 2( 4%)


 
H15.10.24(池田)

がんと生活に戻る

BEFORE HOME NEXT


Copyright. 1999
Kawakami Breast Thyroid Clinic.
All rights reserved