厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」のホームページで、イソフラボンと肝がんの関連についての報告が掲載されました。
研究班は、全国の6保健所管内の40〜69歳の男女約2万人を対象に、平成17年まで追跡調査を行ったそうです。
男性 |
|
摂 取 量 |
少 |
中 |
多 |
ゲニステイン |
1.00 |
0.78 |
1.13 |
ダイゼイン |
1.00 |
0.81 |
1.09 |
大豆製品 |
1.00 |
0.77 |
1.10 |
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女性 |
|
摂 取 量 |
少 |
中 |
多 |
ゲニステイン |
1.00 |
2.36 |
3.19 |
ダイゼイン |
1.00 |
3.10 |
3.90 |
大豆製品 |
1.00 |
1.68 |
1.74 |
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その結果、「男性では、イソフラボン・大豆摂取量と肝がんの発生リスクに関連は見られませんでしたが、女性では、イソフラボン摂取量の最も多いグループの肝がんリスクは3〜4倍でした。」ということです。
肝がんの最大のリスク要因は、B型・C型肝炎ウィルス感染ということですが、肝がんの発生率は、女性が男性よりも低いので、女性ホルモン(エストロゲン)が肝がんに予防的に作用する可能性が考えられているそうです。
しかし、イソフラボンは、エストロゲンレベルの高い女性では、エストロゲンを妨げる作用をするのではないかと推測されるため、女性ではイソフラボンを多く摂取すると、肝がんのリスクが高くなる可能性が考えられるそうです。
男性については、男性ホルモンの血中濃度が高いと肝がんリスクが高くなるという報告があり、男性ホルモンの影響で、イソフラボンを多く摂取しても肝がんのリスクはあまり変わらなかったようです。
ただし、研究班は、「今回の研究では症例数が少なかったため、結果が偶然である可能性もありますので、今後の研究での確認が必要です。」とも言っています。
H21.3.23(池田)
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