血中カロテノイドと胃がん罹患との関係

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血中カロテノイドと胃がん罹患との関係


 厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」のホームページで、血中カロテノイドと胃がん罹患との関係の報告が掲載されました。

 研究班は、全国の10保健所管内の40〜69歳の男女約37,000人を対象に、平成16年まで追跡調査を行ったそうです。胃がんになった方のうち、データが不足していない511人について、1人につき、年齢・性別・居住地域等の条件をマッチさせた1人を無作為に選んで対照グループとし、比較分析したそうです。

 男性
ベータ・カロテン濃度
( )内は各群の平均濃度
オッズ比
低い(3.3μg/dl) 1.0
2番目(8.4μg/dl) 0.8
3番目(15.7μg/dl) 0.4
高い(28.5μg/dl) 0.5
 女性
ベータ・カロテン濃度
( )内は各群の平均濃度
オッズ比
低い(11.7μg/dl) 1.0
2番目(19.4μg/dl) 1.0
3番目(30.7μg/dl) 1.2
高い(48.5μg/dl) 0.8
 その結果、男性では、血中ベータ・カロテン濃度が高いと胃がんリスクが低いことが分かったそうです。

 右の表は、研究班の報告を元に、血中ベータ・カロテン濃度によって、低い、2番目、3番目、高い、に分け、低い人たちの胃がんの罹患のリスクを1.0とした場合の、各群のがんのリスクを並べたものです。ただし、各群の人数が同じくらいになるように分けたために、血中ベータ・カロテン濃度の平均が男女で違いが出たようです。女性では、低い群でも、男性の3番目の群に近い濃度になっています。

 男性では、血中ベータ・カロテン濃度が高い群では、胃がん罹患のリスクが、低い群の半分程度になっています。

 研究班は『ベータ・カロテンが不足している場合には胃がんリスクが高くなることと、今回の女性のように、十分な量を摂取している場合には、それ以上を取ったとしても胃がん予防の恩恵は期待できない可能性が示されました。』と言っています。
 

H20.7.25(池田)


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