トップページへ戻る




阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



「もう病院で死ねない〜医療費抑制策の波紋」を観て
  〜今の医療・介護政策の矛盾を考える
 先日の執行委員会で、NHKで5月に放映された「もう病院で死ねない〜医療費抑制の波紋」を見ました。感想を出し合うと、同じような経験談が続出。医療・介護の現実を考えさせられました。以下、紹介します。
●母親が入院して足腰が弱って、トイレにいける状態でないのに退院することになった。在宅といっても施設や受け皿が少ないし、お金がないとはいれない。病院から早く退院をいうなら受けてもらえる施設の整備がないと独居の方は大変。自分の老後のことを思うと心配。
●親をなくした時、在宅で見取りたいとの思いで、病院でCVをいれて帰ってきたが、在宅での「看取り」と「治療」について、家族と医師とで認識が違うと感じた。介護も自費がすごかった。これで在宅を進めているのもどうかと思う。病棟でも退院してもらわないと困る場合があるが、悩む。
●在宅医療、在宅介護を進めるなら、そちらにもっと力を入れるべき。番組で、入院した時より体力が落ちているのに退院を迫るのは何なんと思った。在宅での「看取り」も、救急車が必要な方に、病院へ行ってもすぐに帰されるから、救急車呼ばないように、は疑問。
●ガン患者さんは一人暮らしが多い。若い人がガンになった場合、訪問看護を受けようとすれば金がかかる。金ない人には早く死ねといわんばかりだ。
●親族が脳梗塞で入院後、5日目にPEGを作るかを尋ねられ断ると、明日退院してください、と言われ、翌日ストレッチャーごと部屋の外に出されていた。これが国の方針かとまざまざ見せつけられた。
--------------------------------------
「もう病院で死ねない〜医療費抑制の波紋」のあらすじ

 医療費の抑制を推し進める国の施策。今、高齢者が退院を迫られる事態が相次いでいる。そうしなければ経営が成り立たない病院。退院しても、受け皿もなく、お金がなければ行き場もない高齢者…。
 手術後、歩けるようになるまで入院を希望する患者家族に、速やかに退院を促す救急病院の退院サポート看護師。在宅に戻った高齢患者の家族に、「なんでもかんでも入院でなく、基本は家で引っ張っていく」よう、救急車を呼ばないよう伝え、自宅で看取る覚悟を求める訪問医師…。今の医療現場の悩ましい現実を考えさせられる番組です。

組合ニュース第5188号(2012年7月27日発行)より

阪南中央病院労働組合 〒580-0023 大阪府松原市南新町3-3-28 TEL/FAX 072-331-1919
Copyright© 2008 Hannan-Chuuou-Hospital Worker's Union