トップページへ戻る




阪南中央病院労働組合の要求/見解/主張



許せない!橋下氏の「慰安婦必要」「米軍風俗活用」暴言
 5月15日、橋下氏に撤回を求める抗議文を送付しました。

橋下徹氏の「慰安婦は必要だった」発言は、全ての女性に対する冒とくであり人権侵害
橋下氏は発言を撤回し、謝罪を


 橋下徹大阪市長(「日本維新の会」共同代表)は5月13日の記者会見で、旧日本軍がかつての侵略戦争で行った「慰安婦」制度は必要だった、とこれを正当化する許し難い発言を行いました。これに強い憤りを表明します。
 「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、そんな猛者集団というか、精神的にも高ぶっている集団は、どこかで休息をさせてあげようと思ったら慰安婦制度は必要なのはこれは誰だってわかる」「軍の規律を維持するための必要な施設であった」、等々。
 また、沖縄の米軍司令官に対して「米軍はもっと風俗業を活用して欲しい」「そういうところを活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはコントロールできない」と述べた、などと平然と語りました。
 14日に批判の声が上がってもツイッターで持論を展開、昔も今も軍隊には女性の性の提供が必要不可欠であるとの言動を繰り返しています。
 橋下氏は、必要かどうかに議論をわい小化しています。しかし、問題なのは、「性奴隷制度」と国際的に非難され続けている戦争犯罪・「慰安婦」制度を、強制性を否定し「必要だった」と正当化したこと、侵略戦争と軍隊を肯定し、それを前提に戦争の性のはけ口、道具として女性を捉えている発想なのです。これは、今も深い心身の傷を負っている元「慰安婦」の方々をさらに痛めつけ、その尊厳を踏みにじるとともに、全ての女性への冒とく、人権侵害そのものです。
 阪南中央病院労働組合は、医療を通じて人権を擁護し、差別に反対しています。性暴力被害者の支援に関わっている組合員もいます。この度の、戦争犯罪肯定、女性蔑視、人間の尊厳を否定する橋下氏の発言を許すことはできません。このような重大な人権蹂躙発言をそのままにして、自治体の長や公党の代表を続ける資格はないと考えます。
 橋下氏に対し速やかに発言を撤回し、謝罪することを求めます。

          2013年5月15日 阪南中央病院労働組合執行委員長

橋下氏、批判に対し「大誤報」「読解力不足」と居直り

 5月13日に行われた橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)の「『慰安婦』は必要だった」「米軍は風俗活用を」といった暴言に対する非難は、国内外に広がっています。
 橋下氏は、「『慰安婦』制度を容認しているわけではない」「米軍に風俗業を進めたのは国際感覚がなかった」などと逃げを打つ一方、「マスコミの大誤報」「日本人の読解力不足が原因」などと、マスコミや日本人の読解力が問題とばかりに責任を転嫁しています。
 そして発言を撤回せず、「日本だけが不当な侮辱を受けることに抗議する」「沖縄の米軍犯罪に抗議」と問題をすり替えて、発言の本質をごまかそうとしています。
 しかし問題なのは、「慰安婦」制度の強制性を否定し続け、戦争犯罪・「性奴隷制度」だと認めようとしないこと、戦争という暴力の性のはけ口、道具として女性を捉えている差別思想そのものです。これは橋下氏をかばい、同様の暴言を繰り返す「日本維新の会」も同様です。このまま、彼らの人権無視、居直りと責任転嫁を許してはいけません。追及し続けましょう。

25日、元「慰安婦」証言集会に参加しよう

5月25日に「何度でも語る 歴史の事実は これです〜再び戦争への道を歩まないために〜」と題する元「慰安婦」の証言集会(主催・日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク)が開催されます。
 苦しみを抱えながらも、再び戦争の道を歩まないために歴史の事実を語るハルモニたちを支援し、その証言に耳を傾けましょう。

【ミニ解説 ここがおかしい!橋下氏の「慰安婦」制度の認識】

@「暴行脅迫拉致した証拠はない」
 まず「強制」を連行の時のみに限定しその「証拠」を公文書に限定しているのがおかしい。「慰安婦」制度の強制性は、単に連れてこられたのが強制かどうかという問題ではない。しかも軍が関与した「証拠」は公文書にあるし、被害者・加害者の証言が蓄積されている。裁判の判決でも「慰安婦」制度の強制性は認定されている。

A「他国も同じことをやっている。日本だけ不当な侮辱を受けるのはおかしい」
 そもそも他国もやっていたから自分だけ批判されるのはおかしいという論法がおかしい。それに日本軍の「慰安婦」制度の特殊性は、慰安所設置計画の立案、業者選定・資金斡旋、女性集め、「慰安所」管理まで、すべての過程が軍の管理下におかれ、あるいは軍が直接実施していること。ここまで軍が関与している例は他国にはみられない。この特殊性の理解が、「不当」かどうかの判断の前提である。
 
 橋下氏が「慰安婦」制度の強制性をわい小化して否定し、これを戦争犯罪、「性奴隷制度」と認めようとしないことが問題の根底にあり、この認識を根本的に改めなければ、同様の暴言は繰り返され、それは、より「日本を貶める」ことになるのではないでしょうか。

(組合ニュース5208号 2013年5月20日より)

阪南中央病院労働組合 〒580-0023 大阪府松原市南新町3-3-28 TEL/FAX 072-331-1919
Copyright© 2008 Hannan-Chuuou-Hospital Worker's Union