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私たちの訴えと取り組み

【集会報告】
やめて!!家族同意だけの臓器摘出!市民の会1周年記念集会
  先週18日に「やめての会」の設立1周年記念集会が行われました。75名の参加があり、組合からも6名の方が参加してくれました。
 集会は、アメリカであったニュースの上映から始まりました。昨年10月に交通事故で「脳死」と判定された21歳の青年が、家族の同意を得て臓器移植をする事になりましたが、人工呼吸器を外す1時間前に目が覚めたというものです。このアメリカで起きた奇跡のニュースをロシアの放送局が取り上げて放映したものでした。以前アメリカのザック青年のニュースが日本の番組で紹介された事が有りましたが、この青年もあと1時間遅ければ、医師団によって殺されていたことになります。脳死判定の危うさが現実に存在します。
 講演は、脳外科医の近藤先生から「脳死判定は非科学的」という内容でおこなわれました。いまだに脳機能は解明されていない。脳外科医を長年やってきたが、突然意識を回復する事例も多く、今の脳死判定だけで人の死と決めてはいけない。特に小児については、大人よりも発達途上であり、解明できない部分がたくさんある。現に小児科学会が小児の脳死判定に苦慮しているではないかと報告もされました。
 人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)からは、藤井真希さんが、娘さつきちゃんの話をしてくれました。2010年11月、当時5か月だったさつきちゃんは、市のファミリーサポートセンターの一時あずかりを利用したさい、うつぶせ寝の心肺停止状態で発見されました。奇跡的に心肺蘇生されましたが、臨床的「脳死」と診断されました。
 突然に突きつけられた現実と、よく解らない「脳死」という言葉にショックに陥ったそうです。藤井さんは、さつきちゃんのために「脳死」について勉強し、脳死判定の無呼吸テストを知りました。今さつきから呼吸器を外せば死んでしまうと思い、脳死判定を拒否した事を話してくれました。藤井さんは、色々な事を知った上で臓器移植の情報を見て欲しい、そしてあきらめない権利を私達に与えて欲しいと、力強く訴えかけられていました。今さつきちゃんは、1歳8か月になっています。3月からは在宅で一緒に生活ができるように準備中だそうです。「脳死」になれば、医師から5日程度で心停止がきますと説明されますが、そうならない事例もたくさんあることを皆さんに知ってもらいたいと思います。
 集会後半では、各方面からの報告や発言なども活発に出されました。最後に、家族同意のむごさ、脳死判定のひどさ、「脳死」と言う言葉の撲滅を確認して終了しました。
「脳死」と言う言葉は、臓器移植が前提となっての言葉です。臓器移植をしない場合に人工呼吸器を外せば殺人です。ところが、臓器移植をするなら人工呼吸器を外しても殺人にならないと言うのは、人権を無視した法律ではないでしょうか。「脳死」臓器移植という難しい問題ですが、いつも集会は楽しい集会になっています。次回もたくさんの方に参加していただきたいと思いますので、宜しくお願いします。(西)

(組合ニュース5180号 2012年2月23日発行より)

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