例会トピックス 

第296回 藍生1月例会

(令和2年1月12日)
文京シビックホール1+2


主宰ご出句                     

  筆写始を初富士のかの一句

  純白初富士祷ること多し

  読初の小三治師匠その自伝

   吉徳第三十六回

  雛の句選み了へたる夜の安堵

   大田原市名誉市民となる

  大寒満月星座那須野ヶ原


特選句

 

 

初景色床屋かわらず薄表情      

牡蠣小屋となる単線の駅舎かな    

獅子頭ぬげば眼鏡の女の子      

梟の啼くや嘆かぬふりむかぬ     

お腹すら空かなくなつた三日かな

初旅はTOKYO上野春日町     

石神井の陽ざしサロマの氷点下    

バリトンの声屋根の雪卸しけり    

形見角袖掛(かけ)矧(は)ぎは母のもの 

坂多き町雪女もつらし        

初旅や夫はおろおろつきまとふ    

つぎつぎに星消えてゆく寒満月    

父母夫子なし読初「母子草」     

初芝居はねて月など見て帰る     

獅子舞に齧られ曖昧にわらふ     

灯明守り氷柱の中に一人棲む     

励まさるる心地冬の噴水に      

ある夜ひとり雪になるかもしれぬ雨  

ペースメーカーからの鼓動去年今年  

「元気だ」と兄の賀状の文字震へ   

年の夜のしづか牛蒡を炊くかほり   

初暦空爆をもて始まりぬ       

初句座へ異国より友集ひたる     

往診の道づれ雪女郎ひとり      

忘れぬうちに認めて初日記      

立読みの人驚かす大嚏        

寒の入ラジオの声に起こされて    

鋤焼をひとりで喰うて葱が冷め    

人日や根の長々と秋田芹

線香に埋火うつりゆくしじま     

日脚伸ぶきのふと同じ服を着て    

左手の父のさいごの年賀状     

だるまストーブ湖畔のサンドイッチ屋に

綿虫の寄り来おむすび頬ばれば   

読初は最中の箱の由来書       

紙に降りてほのかに青き雪螢     

肌ぬくもれるお降りのしづけさよ   

翼なきもの照らしたる寒満月     

まづ供ふ位牌の数の雑煮椀     

董  振華

厨  惠子

竹内 克也

門奈 明子

マルティーナ・ディエゴ

半田 良浩

明 惟久里

朗善 千津

深津 健司

盛田 道子

斉藤 惠子

井上 薫子

浅見 宏子

梅岡みちる

竹内 克也

古橋 淑子

渡辺 行子

門奈 明子

曽根新五郎

井上 薫子

竹内 克也

宗像眞知子

深津 健司

斉藤 惠子

成松ちあき

依田 百合

半田 真理

智久 薫子

岩谷美津子

木寺 洋子

盛田 道子

仙波 玉藻

仙波 玉藻

名取 里美

山崎志夏生

石川 秀治

董  振華

竹内 克也

成岡ミツ子


 


記:田中啓介


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