例会トピックス 

第290回 藍生6月例会

(令和元年6月9日)
文京シビックセンター区民会議室A.B
にて


主宰ご出句                     

  痛みなき五体詠み書く梅雨の月

  選句選評天職の新茶古茶

   六月二日三鷹公会堂満席

  六月の風六百のひとの貌

   六月二日三鷹公会堂

  六月の風むさし野の木々の風

   六月二日三鷹公会堂

  語り尽くしてむさし野の梅雨の月


特選句

 

 

失踪もよいかと思ふ花空木      

暁のごとし麦秋の黄昏        

裏庭の蕗ざつくりと刈りくれし    

それぞれに初鰹買ひ家路へと    

父の日といふ日失ふ朝(あした)かな 

三人の庭師を乗せて灼くる舟     

あぢさゐの紫想ふ天安門       

からだふはりと浮いて午睡に入る  

羊の臓ひとつながりで売る日陰    

飲屋より蛍湧いたとメールあり    

梅漬ける砂糖も塩も島のもの     

蕗あをく煮て漆黒の夜の艶      

氷溶ければ独居のグラス鳴り     

昼寝覚副葬品の如く本        

夏落葉一枚蹴つて雀翔つ       

熱の子の西日の重み保育士に     

梅雨に入る南半球産林檎       

一人づつ影をたたみて木下闇     

仕出屋の筍飯やすずめ五羽      

夜の底の蛍袋を灯したし       

耳の底まで乾きゆく閑古鳥      

青嶺祖母山傾山も青嶺       

梅雨の三日月雲なんぞ媚びるまじ   

初夏の道歩く兄弟年とつて      

花十薬尊し天賦人権論        

鳩の眼の海の色して梅雨きざす    

実梅落つ真つすぐに真つ青に    

殺すもの殺さるるもの時鳥     

子燕六羽今朝一羽飛び立てり    

笊の目の蕎麦取りがたき神田梅雨  

眼に残る父の忌日の蜥蜴の尾    

閂にいまだ小さき蝸牛        

明王の眼前オーデコロンの香     

月涼し蚕は棚に透きとほり      

思案してキャラコを選ぶ梅雨入りかな 

ゆきのした有るか無しかに町の風   

老ゆること小さくなること更衣    

スマホにて海のキャンプの火の届く  

ほうたるにいざなはれ旅立たれしか  

桐の花男ばかりの鉄工所       

さみだれに眠りさみだれに目覚めて

山崎志夏生

井上美保子

岩谷美津子

成松ちあき

まつおまりこ

深津 瑩子

園田秋桜花

さとうかしこ

木村 菜月

竹内きくえ

依田 百合

掃部けいじ

山崎志夏生

三好美津子

深津 瑩子

森  陽舟

牛嶋  毅

山村さわ子

明 惟久里

深津 健司

掃部けいじ

さとうかしこ

田中 啓介

石川 秀治

古橋 淑子

梅岡みちる

山村さわ子

竹内 克也

鈴木 陽子

森  陽舟

深津 瑩子

半田 良浩

牛嶋  毅

深津 健司

依田 百合

石川 秀治

入部 和夫

三好美津子

山崎志夏生

軽部  梢

石川 秀治


 


記:田中啓介


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