例会トピックス 

第289回 藍生5月例会

(令和元年5月12日)
文京シビックセンター区民会議室A.B
にて


主宰ご出句                     

  筍と新茶到来紺燕

  手紡ぎ手織すずしさの藍刺子

  全山の葉櫻を打つ雨の音

  炊き上がりたる孟宗とめばるの香

  紋黄蝶来る失せ物のふいと出て


特選句

 

 

母の日の母に心配されてをり      

達筆ではないが筆まめ田を起こす    

雨強きつつじの庭を警備員       

雷のひとつころがる昏き部屋      

だれも来ぬ母の日庭に猫が来た     

行く春やクリムトの金シーレの緋    

黄金週間湖に犬泳ぎ          

水に浮く水よりあはき守宮の子     

衣更へて鴉の羽根を踏んでをり     

綿を蒔く終の棲家とおもひつつ     

萎みたる夢やふらここ立ちて漕ぐ    

烏の子脚ふんばつて鳴きにけり     

春愁や出刃包丁を新調す        

殿に半睡の稚児神田祭         

雛の骸埋める山鳩が見てゐる      

花巡りぱくり剥がれし靴の底      

一輪でいいのですねとカーネーション  

正論を吐く我を打つ夏落葉       

石楠花の花待つ遅櫻一幹        

ちがふ夢ちがふ狂気や罌粟ひらく    

つつじ垣犬を叱つてゐる女       

病葉の流れ魚の骸の上         

挿し芽よりゆつくりオールドローズ咲き 

首筋に落花一片苦吟して        

みちのくの雑草園の牡丹の芽      

母の日の焼菓子妻へその母へ      

朱印待つ列長ければ実梅落つ      

散骨をせよと母言ふ青あらし      

注ぎ足して静かに滾つソーダ水     

噴水の水を新樹の雨濡らす       

はなびらを数へて曇るピンセット    

ひとり来るふたり来る芭蕉玉解けり

半田 真理

さとうかしこ

石川 秀治

半田 真理

後藤 清美

三好美津子

朗善 千津

深津 瑩子

小池 啓子

深津 健司

田村美江子

武部 一成

三好美津子

三好美津子

梅岡みちる

浅井 敏子

田中 啓介

三好美津子

剱持 育代

小池 啓子

石川 秀治

山崎志夏生

渡辺 行子

剱持 育代

仙波 玉藻

山崎志夏生

半田 良浩

竹内 克也

後藤  洋

小池 啓子

深津 瑩子

半田 真理

 


記:田中啓介


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