例会トピックス 

第287回 藍生3月例会

(平成31年3月10日)
文京シビックセンター区民会議室A.B
にて


主宰ご出句                     

  昇りくる日に初櫻山櫻

  櫻花巡礼発心の日の杳(よう)と

   二月二十日

  大満月を引鶴のよぎりしと

  櫻花巡りて句を賜ふ歓喜なほ

   二月二十四日 朝

  キーン先生梅椿初櫻


特選句

 

 

音もなく昏れゆく風の花木五倍子    

父ありき雛の一幅携へて        

桃の日のどちらも喋る糸電話      

読みて書く書けば読みたし春の雨    

しめしあはせしやうに逝かるる二月かな

梅林に赤子寝かすな取らるゝな     

沈丁の香に午後はまた働かむ      

羽衣の一花のひらく庭椿        

百グラムだけ買ふこの伽羅蕗の昏さ   

風にも椿沈着冷静なり         

背筋伸ばせと雛さまはきつと言ふ    

けふの寂しさ古雛並べけり       

想ひ出を拾ふ霞のその中に       

骨片の代りに拾ふ桜貝         

雛座敷の子らのにぎはひとはよかり   

機械の手硬く動きて苗木植う      

焼鳥も買つて鶯餅も買ふ        

三陸忌劫火なりけり落椿        

フーコーの振り子と春の小半時    

春日差ホストクラブの顔写真     

ヴァレンタインいただきしチョコ神棚へ

古民家の広さ忘るる吊し雛       

流れゆく雛に雨の止まざりき      

唇を噛むやうに見え古雛        

旅終るごと皆終るべし三月       

髪型を変へず髪刈る朧かな       

亡き人に吊るしひひなのゆるる影    

パソコンと対話する医師凍返る     

巨いなる春の銀河や地震ののち     

ぐさと身を刺す二日月三月       

何気なき妻の一言冴返る        

ふきのたう母が畑で待ってゐる     

尻上げて余寒の廊下拭き上ぐる  

深津 健司

田村美江子

木寺 洋子

三好美津子

成岡ミツ子

朗善 千津

智久 薫子

栗山 幸枝

山崎志夏生

田中 啓介

浅見 宏子

井上美保子

後藤  洋

小木曽仁子

成岡ミツ子

朗善 千津

牛嶋  毅

深津 健司

三好美津子

牛嶋  毅

半田 良浩

田村美江子

原田 桂子

朗善 千津

梅岡みちる

田中 啓介

浅見 宏子

智久 薫子

北村 照子

竹内きくえ

入部 和夫

井上 薫子

浅見 宏子

 


記:田中啓介


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