新型インフルエンザの疑問
日本では例年12〜3月がインフルエンザの流行期ですが,今年は新型インフルエンザが発生し,拡がっています。インフルエンザの患者さんや家族への対応などについてまとめました。
Q1 新型と季節性インフルエンザ
・・・現在,流行中の新型インフルエンザは,感染力は強いのですが,感染した人のほとんどが比較的軽症のまま数日間で回復しています。
新型インフルエンザは,ほとんどの人が免疫を持っていないため,季節性インフルエンザに比べて感染はしやすく,若年層の発症が多いことや,ウイルス性肺炎が多いなどの違いはあるが,基本的に新型と季節性には大きな差はないようです。
Q2 家族にインフルエンザ感染者が出たら・・・
・・・最も注意すべきは肺炎と脳症です。下記の症状がみられたときには,すぐに
医療機関を受診してください。
・インフルエンザ脳症の初期症状
@けいれん発作
A呼びかけに応じない
B意味不明な言動や不可解な異常行動がみられる
C激しい嘔吐が続く
・肺炎の初期症状
@呼吸困難(横になっていると呼吸が苦しいので,座るあるいは前屈み
になって,やっと呼吸している
A治療を受けているにも関わらず,高熱が7日以上続いている
また,タミフルを服用している小児は一人にしないで,少なくとも服用後
2日間は,保護者が見守る必要があります。
Q3 家族への感染を防ぐには・・・
・・・以下の点を心掛けてください。
@まめに手洗い・うがいをおこなう。
A可能なら,感染者は別室で静養し,寝具,タオル,食器などの共用は避ける。
ただし,感染者が使った食器や衣類は通常の洗剤と乾燥で十分に
消毒できます。
B感染者に接するときは,感染者がマスクをして家族への飛まつ感染を防ぐ。
C感染者が静養している部屋の窓を頻繁に開けて,換気を心掛ける。
Q4 うがいやマスクで感染は予防できる?
・・・インフルエンザの感染経路は,季節性インフルエンザと同様,主に飛まつ感染と
接触感染です。
飛まつ感染とは・・・感染者の咳やくしゃみなどと一緒に放出されたウイルスを
浴びて感染すること。
接触感染とは・・・ウイルスが付着したものに触れた手で,鼻や口などに
触れることで,粘膜などを通じて感染すること。
手洗い・うがい・マスクは感染予防の基本です。
◆手洗い
せっけんと流水で最低でも15秒,できれば30秒程度かけて洗う。
◆うがい
外出先から帰った後やインフルエンザ感染者と接した後に行うと良い。
上を向いてのどの奥まで洗浄する。
◆マスク
カーゼマスクより不織布マスクが効果的といわれています。
マスクは,インフルエンザ感染者が咳やくしゃみなどによってウイルスを
飛散させるのを防ぐ効果は高い(咳などによりしぶきは約2m飛ぶと
いわれています。)が,かかっていない人が着用しても完全に感染を予防
できるものではないとされています。
ただ,混み合った屋内や乗り物の中など,換気が悪い場所で,インフル
エンザ感染者がすぐ近くにいる場合は,感染予防になり得るとも考えら
れています。
着用の仕方は,@鼻からあごまでしっかり覆うこと。
A顔とマスクの間に隙間ができないようにすること。
最低でも1日1回はマスクを替え,マスクを外す際はウイルス汚染の
可能性の低い耳掛けのひも部分を持って捨てるようにする。
感染予防には,日頃の体調管理も大切です。
生活リズムの改善や体調チェックも行ってください。