閉塞性動脈硬化症

 

1.どんな病気?

2.どんな症状がでるの?

3.どんな人がなりやすいの?

4.どんな診断方法があるの?

5.どんな治療法があるの?

6.日常生活どんなことに気をつけたらいいの?

7.合併症はあるの?

 

1、どんな病気?

閉塞性動脈硬化症とは、四肢の血管の動脈硬化がすすみ、動脈が狭くなったり、つまったりして血液の流れが悪くなる病気です。

わが国では、食生活の変化や高齢化に伴い増加している疾患のひとつです。

 

2、どんな症状がでるの?

症状によって、以下のように4段階に分類されます。 

 

分類

症状

1度

無症状、しびれ、冷感

2度

*間歇性跛行

3度

安静時痛

4度

潰瘍・壊死

                                                                               

*間歇性跛行;歩行途中、足の痛みで歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩けるようになる症状 をいいます。

 

3、どんな人がなりやすいの?

☆高血圧・糖尿病・高脂血症など生活習慣病にかかっている方

 これらの病気が引き金となって動脈硬化が起こりやすくなります。 

☆喫煙者

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるので血液の流れを悪化させます。また、中性脂肪をアップさせるので高血圧や動脈硬化の原因に・・・。

☆中高年の男性

 

4、どんな診断の方法があるの?

@まず問診

・いつ発症したの?→急性か、慢性かを推定。

・どこがいたむの?→痛みの部位によっておおよその病変部位を推定。

・どんな姿勢で症状は変わるの?

     前傾姿勢で痛みが楽になる→脊柱管狭窄

     足を下に下ろすと痛みが楽になる→抹消血管障害

A視診 

・潰瘍の鑑別・・・下肢の皮膚の色調と筋肉の萎縮について左右を比較。

           末梢血管障害→片側性、激痛、とくに夜間

           糖尿病性潰瘍→両側性、疼痛は伴わない。

B触診

・左右の皮膚の温度の比較→左右で違いがあれば閉塞性動脈硬化症の疑い

・脈拍の触知、強弱をみる→左右で違いがあれば閉塞性動脈硬化症の疑い

C聴診

・観察部位の音の左右差を確認することがポイント

                     

5.どんな治療法があるの?

@運動療法・・・適度な運動

体への無理な負担のない「歩行」をしましょう。安全性にもすぐれ歩くことにより血流を増やし血行を改善してくれます。

A食事療法

1 減塩

2 低脂肪、低コレステロール

3 アルコールの摂取は控える。

4 食物繊維、ミネラル、ビタミンを摂取

5 13食きちんと摂取し、標準体重を維持する。

6.水分が少なくては血液が濃くなり血管がつまりやすい状態になっているので水分をとりましょう。

B薬物療法

運動療法、食事療法などで症状の改善がなければ薬剤を用いる。

*代表的な薬剤の紹介

・パナルジン、エパデール、アンプラーグ・・・抗血小板作用薬といわれ血液のながれをよくする働きをします。

・プレタール、オパルモン、ドルナー・・・抗血小板作用とともに血管拡張作用ももち、血液の流れをよくし、血管も                     広げる働きをします。

・ワーファリン・・・抗凝固剤といわれ血液をかたまりにくくし、ながれをよくします。

C血管内治療・・・カテーテルやステントを用いた低侵襲治療

D外科療法・・・バイパス手術

 

6、日常生活どんなことに気をつけたらいいの?

☆足先を清潔に保ちましょう

☆手足の保温を心がけましょう

☆長時間の起立や正座など避けましょう

☆サイズの合った靴・むれない靴を選びましょう

☆禁煙しましょう

 

7、合併症はあるの?

閉塞性動脈硬化症は主に四肢の血管の障害ですが、動脈は全身にあるので、 多臓器においても障害を合併している可能性があります。

1:心疾患

心臓を取りまいている動脈に動脈硬化が起こり、心臓の一部に血液が十分いきわたりにくくなり狭心症や心筋梗塞をおこすことがあります。

2:脳血管障害

脳に入り込む動脈に動脈硬化が起こり、脳の一部に血液が十分にながれなくなるために脳梗塞になることがあります。

 

*閉塞性動脈硬化症は上記疾患を合併したり他疾患においても同じような症状が現れてくることがありますので、自己で判断せずに医療機関にきちんと受診するようにしましょう。