「ザ・CCグレンモア」を経営する会社更生手続き中の(株)真里谷(管財人兼代表取締役社長:森田房雄氏)は、計画通りの弁済が不可能になったため、完全株主会員制による経営を断念、スポンサーを擁立した株主会員制に移行する方針を決め、その方針を盛り込んだ「更生計画変更計画案」を東京地裁に提出するとともに、このほど会員に配布した。
この変更計画案の審議及び決議を行う関係集会は、平成16年12月17日に東京の九段会館で開かれる。
同社の当初の更生計画案は、会員出資による完全株主会員制で再建するとした内容で、平成12年に成立した。債権者への弁済資金は、会員の出資金(正会員200万円=2株、平日会員100万円=1株)で確保する計画だった。ところが、出資者数が見込みを下回り、担保権者への弁済が計画通り進まなかったため(一般債権者へは弁済済み)、弁済金の一部の支払いを延長して、急場を切り抜けてきた。
しかし、@延長に限度があること、A弁済資金の調達が困難になっていること―等から、打開案を会員に提示するとともに、アンケートにより意向調査を行った。内容に関しては「会員か、支援者による再建かで岐路」を参照。
変更計画案によると、意向調査ではスポンサーが新株引受と回答した会員は1362名中718名(53%)で、新株を引き受けるとした会員は326名に過ぎなかったとしている。この意向を受けて、配布された変更計画案はスポンサー型の案になっている。
スポンサーとして選定されたのは、「中山隼雄氏((株)セガ創業者で元代表取締役、現・財団法人中山隼雄科学技術文化財団理事長)」中山氏は10億円を支払い、(株)真里谷の発行する計5600株を取得することになる。発行後の株式総数は8600株で、中山氏側はその過半数の株式を保有して経営権を確保することになるが、現会員のプレー権等は変更ないとしている。
また、10億円とは別に2億円を限度として、ゴルフコースに設備投資するとしている。ちなみに、担保権者へ弁済すべき担保権残額は16億552万円(7社計)で、その支払期限は17年3月6日となっている。計画変更に当たり、担保権の対象物件(コース用地、クラブハウス等)を再鑑定したところ、総額9億5516万円余となった。
その総額全部と、担保権残額から総額を引いた額に1・1%を掛けた額を「変更計画案認可決定日から1ヶ月を経過する日の属する月の末日までに一括弁済する」としている。
なお、弁済後に更生手続きは終結する予定。また。、会社名は「(株)グレンモア」となる。民事再生法でも成立した再生計画の変更が可能で、成立した計画の変更を考えているゴルフ場企業もある。
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