東証1部上場の中堅ゼネコンの大木建設(株)(資本金64億7089万4000円、東京都千代田区神田須田町1-23-2、野澤義勝社長、従業員838人)は、平成16年3月30日に東京地裁へ民事再生法を申請した。
申請代理人は清水直弁護士(東京都中央区八重洲2-2-12、電話03-5202-0585)ほか7名。なお、監督委員には桃尾重明弁護士(東京都千代田区麹町3-2-1、電話03-3288-2080)が選任されている。
同社は、1943年(昭和18年)創業、1945年(昭和20年)10月に法人改組された総合建設工事業者(ゼネコン)で、直近の事業ウェートは建築工事(76%)、土木工事(19%)、貸室・不動産事業(5%)となっていた。
中堅ゼネコンとして実績を重ね、63年7月に東証2部、92年9月に東証1部へ株式を上場、96年3月期には年売上高約1205億5900万円をあげ、近年はPC(プレキャストコンクリート)による高層建築工法、薄肉コンクリート型枠の開発など、技術研究にも注力していた。
80年以降、低収益から無配が続いた時期があり、旧・富士銀行の支援を得て再建が進められた経緯もあって、芙蓉グループに属していた。
しかし、不況の長期化による民間設備投資の抑制、公共事業の縮小など建設業界を取り巻く厳しい環境下で近時の業況はジリ貧となり、2003年同期の年売上高は約995億2100万円にとどまっていた。
また、損益面もアジア地域の開発や不動産開発などに伴う販売用不動産の評価損等で、約20億5400万円の最終赤字となっていた。
さらに、2003年9月中間決算では完成工事や不動産の販売が下期にずれ込んだことで、半期売上高は約312億5700万円にとどまり、中間経常損失約25億8300万円、中間純損失約15億1500万円となるなど、厳しい業況を余儀なくされ財務内容は悪化していた。
負債は約767億円(金融債務約558億円、保証債務約26億円を含む)。今年に入ってからの上場企業の倒産は、安治川鉄工(株)(大証2部、3月21日民事再生、負債164億円)に続いて4社目。
また、上場ゼネコンの倒産は、(株)森本組(大証1部、2003年10月民事再生、負債2153億円)に続いて15社目となる。
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