播磨興産(株)(資本金6100万円、大阪府大阪市西区北堀江1-3-3、登記面=兵庫県赤穂郡上郡町梨ヶ原1164、代表竹之下和寛氏、従業員16人)とグループ会社の(株)愛宕原ゴルフ場(資本金2000万円、兵庫県川西市満願寺町9-5、代表吉田容士氏、従業員50人)と、伏尾観光開発(株)(資本金4000万円、大阪府池田市中川原町16-3、代表竹之下和寛氏、従業員46人)は、平成15年1月27日に大阪地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日同地裁より保全命令を受けた。
申請代理人は西村國彦弁護士(東京都千代田区内幸町1-1-7、電話03-5511-4400)。
播磨興産(株)は、1967年(昭和42年)10月に設立。当初、関係会社で所有する兵庫県赤穂郡上郡町の会員制別荘地「播磨自然高原」の開発分譲を中心としていたが、分譲終了後は不動産賃貸業務を主体に、同別荘地の管理業務や関係会社を通じ5コースのゴルフ場を運営、また宝塚市、川西市、秋田県などでリゾート用地の開発分譲及び仲介などを手がけ、ピーク時の90年12月期の年収入高は約74億円を計上していた。
しかし、リゾート開発ブームの終焉で開発計画の大半が頓挫していたうえ、近年はテナント料及びゴルフ場収入も減少、2001年同期の年収入高は約9億5000万円にまでダウンしていた。
(株)愛宕原ゴルフ場は、1959年(昭和34年)5月に設立され、60年5月に「愛宕原ゴルフ倶楽部」(兵庫県宝塚市、18ホール)をオープン。62年には9ホール増設し、96年3月期には年収入高約10億5000万円を計上していた。
伏尾観光開発(株)は、1961年(昭和36年)3月に設立され、62年10月に「伏尾ゴルフ倶楽部」(大阪府池田市、27ホール)をオープン。大阪市内から車で1時間以内という恵まれた場所に位置し、92年3月期には年収入高約18億4000万円を計上していた。
しかし、その後、利用者数は伸び悩み、2001年同期の年収入高は約14億3600万円に落ち込み、会員からの預託金返還請求も相次いでいた。昨年11月には、会員に対し預託金の返還を一時停止することを通告し、預託金を永久債へ切り替えることを今年2月末までに承諾するよう要請していた。
しかし、一部の会員から財務内容の不透明さや現経営陣に対する不信任の声があがり、裁判所の監督下により公正で透明度の高い会社再建を求めて、一部会員が債権者の立場から1月23日に大阪地裁へ会社更生法を申し立てていた。
これに対し、会社側は現経営陣による再建を主張、対抗上民事再生による再建が会員にとって有利として、今回の措置となった。
負債は播磨興産(株)が約272億円、伏尾観光開発(株)約98億円、(株)愛宕原ゴルフ場が約62億円で、3社合計では約432億円。
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「伏尾GC」は、平成16年8月に(株)三栄建設(大阪府八尾市)がスポンサーとなった更生計画案が成立、17年3月に更生手続きが終結した。三栄建設はタラオカントリークラブ(36ホール、滋賀県甲賀市、TEL0748-85-0025)を経営。
「愛宕原GC」は、ゴールドマンサックスグループをスポンサーとする再生計画案が認可決定し、運営会社がアコーディアゴルフになり、同グループゴルフ場傘下となった。
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