民事再生手続き中のゴルフ場大手、エスティティ開発(東京都港区)は25日、米投資ファンドのローンスターと24日付でスポンサー(支援企業)契約を締結したと発表した。エスティティ開発は今後、ローンスターの全面的な支援の下に再建を行う。
エスティティ開発は既存株式を100%減資した後、ローンスターが新たに組成する特別目的法人が増資を全額引き受けて完全子会社化する。この内容で再生計画案を東京地方裁判所に提出し、債権者集会で認められれば実行に移す。
ローンスターは、会員に対して追加負担なしでプレー権を保護するほか、その他の優遇措置も検討している。ローンスターは日本国内で約20コースを保有しており、今後エスティティ開発をローンスターのゴルフビジネスの中核に据える。
また、会員に安定したゴルフ場運営を提供するため、今後は、ゴルフ場に担保を設定している債権者に、スポンサーから拠出される相応の金額での担保解除を依頼していく予定。
10月18日に民事再生法適用を申請したエスティティ開発の負債総額は申請時点で4922億円と2002年最大の破たん規模。同社は1981年2月に設立、従業員数は1529人。所有するコースは茨城県の「千代田カントリークラブ」(千代田町)など国内に11コース、会員数は約1万4000。
ローンスターは1991年に米テキサス州で誕生した投資ファンド。欧州やアジアで投資活動を展開しており、日本には97年に進出した。これまで、銀行、ノンバンク、ゴルフ場などが保有する不良債権などを買収、国内では資産規模で約5兆円(額面)の投資実績がある。
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