建設業の東建コーポレーション(株)(愛知県刈谷市松栄町1-10-11、TEL0566-24-1200、左右田稔社長、資本金12億円)が、民事再生手続中の多度カントリークラブ・名古屋(18H、三重県桑名郡多度町古野2598)を買収する計画を進めていることがこのほど明らかになった。
上場の近畿日本鉄道(株)(大阪市)が1月24日、同CCに関係する資産を「東建コーポに譲渡する」と発表したことから明らかになったもの。
東建コーポは、同CCに関係して資産を所有する他の権利者からも資産を買収し、更に同CCを経営する民事再生手続き中の多度軽井沢開発(株)(名古屋市)からも、土地等の資産を会社分割に基づいて取得する予定としている。
ちなみに、東建コーポが近鉄から買収する資産は、クラブハウス・芝・池・排水施設などのコース施設とゴルフ場の敷地に設定した地上権(近鉄の持分はそれぞれ100分の45)となっている。これら資産を9億9800万円(近鉄の帳簿価額は47億6400万円)で、3月28日に譲り受ける予定となっている。
同様に、残り100分の55の資産を保有する御幸ビルディング(株)(名古屋市)からも、約12億円で譲り受ける予定。多度軽井沢開発からの土地等の譲受金額を含め、総取得金額として約25億円を見込んでいるという(なお、ゴルフ場の運営は子会社に委託する予定)。
同CCの会員の処遇が気に掛かることだが、多度軽井沢開発の再生計画案がまだ会員に示されていないことから、これについてはコメントを控えている。もっとも、従前通りのプレー権は保障する計画で、高級志向のゴルフ場運営も維持する方針と見られている。
東建コーポは、同CCを買収する理由について「男子プロツアーの東建コーポレーションカップを平成5年から主催しており、13年に多度CCを開場にして開催した。その時の縁や当社が三重県を含む東海3県を中心に企業活動を行っていることから、イメージアップ等にも繋がるため」と説明している。
同社はゴルフ場経営初進出で「ゴルフ場事業を拡大する予定は今のところない」と語っている。
なお、民事再生中の多度軽井沢開発は中軽井沢CC(18H、長野県)も経営。同CCもスポンサー型の再建になると見られる
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■平成15年2月26日、中軽井沢CCはユニマットグループがスポンサーに
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ゴルフ場名を「東建多度カントリークラブ・名古屋」に変更。会員への再生条件は中軽井沢CCと同じで、退会会員に対しては”預託金98%カット”で、残り2%を一括弁済する。一方、継続して会員として止まる場合は、2%を預託(据置期間10年)することになる。)
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