9ホールで仮営業を行っていたスリーウッドカントリークラブ(18H計画、千葉県香取郡下総町大菅1-1)を経営する(株)下総厚生事業団は、平成16年4月9日に東京地裁へ自己破産を申請し、同月14日に破産宣告を受けた。破産管財人は小林信明弁護士(千代田区麹町1-6-9、電話03-3238-8515)。
昭和58年に設立された同社のゴルフ場事業を、60年に東都開発観光グループが引継ぎ、平成5年3月に工事に着手。10年6月には完成済みの9ホールを利用して視察プレーの名目で、県の完了検査を経ずに会員制で仮営業を開始した。会員募集は、5年から2500万円で開始。
しかし、バブル崩壊後ということもあり会員が集まらず、翌6年5月から200万円でモニター会員なる募集を行い、その後280万円等で正・平会員の募集をした。
破産の届出によると現会員数は881名で、その預託金総額は約40億円としている。その他に、金融債務等を含め負債総額は約150億円となっている。
同ゴルフ場は、仮開場後に緑営グループの支援を仰いだ他、ゴールデンレイクスCC(27H、栃木県)など国内8コースを経営するGCEグループ(熊取谷稔代表)に経営権を譲るなど複雑な様相となっており、経営権を巡っての争いも発生している。現在、本店が登記されている文京区後楽には、今年2月に移転。
同所はGCEグループの本部所在地で、同じ月にGCEグループ関係者が同社の取締役にも就任した。ゴルフ場の営業もこれに合わせたように、2月16日から停止している。
ちなみに、破産管財人からの債権者宛通知によると、ゴルフ場用地以外に資産がなく、加えて未払いの公租公課が存在することから「破産財団を形成できない見込み」としている。
従って、債権届出も不要で、今後破産廃止になる模様だ。このため、会員等への配当はゼロとみられ、プレー権も消失する恐れがある。
ただ、ゴルフ場は11ホールが完成し、東関東自動車道の成田ICから車で15分と地の利も良いことから、関係者等が同ゴルフ場用地を破産管財人から譲り受け、ゴルフ場を完成させるのではないかとみられている。
なお、第一回債権者集会は9月13日午前10時から東京地裁の債権者集会場で開かれる。
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