(株)ニチボー(資本金6550万円、福岡県福岡市博多区板付4-7-28、宮崎辰雄社長、従業員380人)は、平成15年10月30日に福岡地裁へ民事再生法を申請した。申請代理人は三浦邦俊弁護士(福岡県福岡市中央区赤坂1-15-33、電話092-737-5885)。
同社は、1966年(昭和41年)2月に日本ボーリング(株)として設立されたボーリング工事・ゴルフ場運営会社で、89年(平成元年)10月に現商号に変更した。全国では7社しかない5000メートル級の掘削技術を持つ大手ボーリング工事会社の1社で、九州各県のほか、東京、名古屋、中四国地区に支店、営業所を展開していた。
国土交通省、農林水産省、九州各県などの官公庁のほか大手ゼネコンからも受注を獲得し、99年9月期には年売上高約147億800万円を計上していた。
この間、経営多角化にも注力して93年7月には約90億円を投じて宮崎県宮崎郡田野町に「宮崎国際空港カントリークラブ」とホテル(客室数37室)を、98年7月には本社隣接地に温泉センター「遊湯ピア(ユートピア)」(2003年6月末に閉鎖)を開設した。
しかし、「宮崎国際空港カントリークラブ」の会員権償還期限が今年到来したため、打開策として7月と10月に保証金の一部を返還、残りを10年間据え置きして返済する方針を打ち出したが、一部会員の同意を得られなかった。
さらに、公共工事減少から受注が減少し、2002年同期の年売上高は約113億9700万円にまで減少、さらに6000万円を超える不良債権も発生したことで資金繰りは悪化し、メーンバンクからの追加支援も得られにくくなったため自主再建を断念、今回の措置となった。
負債は2002年9月末で約118億円。
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