取引金融機関の支援によって経営再建中の株式会社熊谷組(鳥飼一俊社長=東京都新宿区)は10月1日付で、不動産事業部門を会社分割したことにより、系列のゴルフ場の所轄も資本関係にない新会社に移ることになった。
今年4月に発表した「経営構造3ヶ年計画」に基づいて実施したもので、熊谷組は建設業を専業化することになった。ゴルフ場など不動産関係の新会社としてニューリアルプロパティ(株)(東信彦社長=東京都新宿区津久戸町2-1)を設立。
この会社は、熊谷組から事業推進室、開発事業部、海外事業部及び財務管理部が所管する部門を継承して不動産事業の自立化を目指すというもの。
熊谷組ないし系列子会社が出資、経営する既設ゴルフ場は敦賀国際GC(27H、福井県)、山代GC(36H、石川県)、北海道GC(36H、北海道)、ミルフィーユGC(18H、千葉県)などがある。
一方、ゴルフ場建設を断念しているミサノカントリークラブ(岐阜県可児郡御嵩町美佐野)の処理問題を始めとして、全国に未着工段階で事業中断中のゴルフ場計画がいくつもある。
案件毎に「運営か、売却を検討することになる」(熊谷組広報部)。この方針から、オーストラリアで保有していたハイアット・リージェンシー・クーラム(18H)はつい最近、地元企業系に売却、海外に保有するゴルフ場はなくなった。
なお、熊谷組の株主にあたる土地興業(株)は、千葉県の南総CC、ニュー南総CCなどいくつかのコースを所有し経営しているが、熊谷組の再建計画とは特に関係なく従来通りの経営という。
美杉GC(三重県)、また、那智勝浦GC(和歌山県)も、運営会社南紀観光(株)(資本金1千万円=酒井茂昭社長)ではあるが、土地興業(株)の関連ゴルフ場と目されていることから、熊谷組グループのゴルフ場ではあったが、同社の再建とは関係ないと判断。
美杉GC、那智勝浦GCとも、熊谷本社からこの件に関する話しは来ていないという。今後、熊谷組の資本関係のゴルフ場といえば株主会員制の芦原GC(36H、福井県)のみが唯一残る事になる。
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その後、那智勝浦GC 美杉GC 山代GC
その後、土地興業(株)は、平成19年5月11日に民事再生法の適用を申請
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