関兵精麦(株)(資本金1200万円、宮城県仙台市泉区南光台4-1-20、関和治社長、従業員18人)は、平成15年6月16日に東京地裁へ民事再生法を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は今村誠弁護士(東京都千代田区内幸町2-1-4、電話03-3500-2913)ほか。
当社は、1926年(大正15年)3月創業、55年(昭和30年)9月に法人改組した宮城県内最大手の不動産及びリゾート開発業者。宮城県では初めてとなる大型の宅地開発を手がけたことで知られ、また、ゴルフ練習場、コンテナ船などの外航貨物船を一時15隻内外所有しての船舶貸渡業、リゾート事業など多角化を進めていた。
とくに、83年(昭和58年)からは、北海道勇払郡占冠村においてスキー場、ゴルフ場、ホテルなどを整備する大規模な通年型リゾート施設「アルファリゾート・トマム」の開発に着手、また83年には札幌市にホテルを開設するなど、91年3月期には年売上高約207億7300万円を計上、地元を代表する企業に成長していた。
「アルファリゾート・トマム」は、スキー場、ゴルフ場(アルファリゾート・トマムゴルフコース)などのほか、85年には36階建てのホテル「ザ・タワーT」が新築され、1989年(平成元年)7月に設立された(株)アルファ・コーポレーション(北海道札幌市、負債約1061億円)が、同リゾート開発の主体となり、ホテル「ザ・タワーU」、ホテル「オスカー」、ショッピングセンター「フォレスタモール」などを建設し、北海道内最大規模のリゾート施設として注目を集めていた。
しかし、アルファ・コーポレーションは、バブル崩壊後の業況不振と過剰債務で経営難に陥り98年5月に札幌地裁へ自己破産を申請、関兵精麦は同社に対し約220億円の保証債務が発生したことで動向が注目されていた。
その後、外航貨物船を順次売却して、99年9月には船舶貸渡事業から撤退、また、今年に入りゴルフ練習場の閉鎖など事業の再編を進めていたが、112億円余りの累損を抱え大幅な債務超過に陥っていた。
多額の保証債務や金融債務を抱え、さらに「ザ・タワーU」の預託金償還が順次到来するなか、本業の不動産販売の市況悪化で預託金償還と借入金の返済のメドがたたず、自力での経営再建を断念した。
負債は約674億円。
↓↓↓ 平成16年5月追加
関兵精麦(株)は、「リゾナーレ」などでリゾートホテルの再興に実績のある(株)星野リゾートに「アルファリゾート・トマム」を売却し、星野リゾートが設立した子会社の星野リゾート・トマムが全体の過半数を握り、運営を引き継ぐことになった。
その結果、所有区分毎に施設の4割を加森観光(株)(加森公人代表)が、6割を星野リゾート(星野佳路代表)が運営する二元体制になったが、2004年に協議を行い、占冠村は星野リゾートへ運営委託先を変更して加森観光は撤退を表明。平成17年10月からは、星野リゾート・トマムによる1社運営が開始された。
「アルファリゾート・トマム」 → 「星野リゾートトマム」に名称変更
「アルファリゾート・トマムGC」 → 「星野リゾートトマムゴルフコース」に名称変更
|