あくまで個人的な見解として述べさせて頂きますので、詳細に関しましては、国税庁及び所轄税務署でご確認願います。今回の太平洋クラブにおける預託金の取扱いに関して、@とAを選択した場合に、「売却損のおける損益通算」で大きな差が出てくるものと考えられます。
下記内容に関しましては、弊社のホームページでも詳細に掲載しておりますので参照下さい。
→ 国税庁(損益通算)・ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いについて
(株)太平洋クラブ及びその子会社5社のスポンサーに、会員組織の「新・太平洋クラブ創る会」が推薦していた(株)マルハンが選定された旨を、弊社HPで掲載させて頂きましたが、その中で「預託金の取扱い」に関する内容が記述されております。
・太平洋クラブ預託金の取扱いに関しては、下記のいずれかを選択することに、
@ 譲渡可能・再預託ありの会員権の継続保有
10%相当額を再預託(20年据置)、弁済額と全額相殺処理されるため、
実際に現金を拠出する必要無し。
A 譲渡可能・再預託なしの会員権の継続保有
弁済率3・77%を乗じた金額を弁済、無額面の会員権を保有。
B 退会
更生計画に定められた弁済率(少なくとも10%以上の見込み)に従って、
預託金債権を弁済。
※9月20日に配布された更正計画案では、弁済率が若干アップしております(下部参照)
→ 損益通算に関する重要な問題(9月27日追加)
→ 損益通算、平成26年度から廃止に?(11月29日追加)
Bの退会を選択した場合は、税金の還付を受けることは100%出来ません。
@の場合は、プレー権も預託金返還請求権も継続されますので、ゴルフ会員権を売却して損益が出た場合は 何ら問題なく税金の還付(損益通算)を受けることが出来ます。(下記、国税庁の見解を参照)
国税庁の見解
預託金会員制ゴルフ会員権とは、契約上の地位であり、優先的施設利用権と預託金返還請求権をその内容とする譲渡所得の基因となる資産(事実上の権利)となります。
このため、ゴルフ会員権を巡る種々の方策の判定に当たってのメルクマール(物事を判断する基準や、その指標)は、そのゴルフ会員権はゴルフ会員権としての性質を有しているか(維持しているか)、という点を基本として取り扱ってきました。
このことから、自主再建型の再建が行われたゴルフクラブのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費は、
ア 会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権の一部のみを切り捨てら
れた場合には切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないも
のと取り扱う。← 太平洋クラブ@のケース
イ 預託金債権の全額を切り捨てられた場合には、更生手続等により取得した優先的施設利用権
のみのゴルフ会員権の時価相当額として取り扱う。← 平成24年8月改定
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イに関しては平成24年8月、「ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いについて」下記の通り改定されました。太平洋クラブのA(弁済率3・77%を乗じた金額を弁済、無額面の会員権を保有)のケースで、ゴルフ会員権を売却した場合を考えてみましょう。
イの従来の取扱いの一部を以下のとおり変更します。<国税庁より>
預託金会員制ゴルフ会員権が会社更生法に基づく更生計画による更生手続等(注)によって、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより優先的施設利用権(年会費等納入義務等を含みます。以下同じです。)のみのゴルフ会員権となったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、次に掲げる状況その他の事情を総合勘案し、
更生手続等の前後で変更なく存続し同一性を有していると認められる場合には、その後に当該優先的施設利用権のみのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費については、更生手続等前の預託金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とします。
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※弁済額3・77%を考慮せずに、預託金ゼロのゴルフ会員権を売却したケースです
※募集金額及び売却代金等は、仮定値です
太平洋クラブ・マルハンがスポンサーに決定へ
掲載元・国税庁
ホーム>法令等>税法・解釈等(税法・通達・質疑応答事例等)>質疑応答事例・取得費の計算
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/07/05.htm
1 募集で入会(取得)した場合
募集金額2,500万円(入会金500万円、預託金2,000万円)
預託金が全額切り捨てられているので取得価額から切り捨てられた預託金債権部分を控除して、
更生手続により優先的施設利用権のみとなったゴルフ会員権の取得費を算出します。
2,500万円(募集金額)−2,000万円(預託金)=500万円
このケースでは、500万円が取得費となる
入会金=「優先的施設利用権に相当する部分の価額」と解釈
2 会員権業者から購入した場合
購入価格250万円 名義書換料100万円
このゴルフ会員権の新規募集時の入会金及び預託金は、下記の通りとなっている場合
募集金額2,500万円(入会金500万円、預託金2,000万円)
@まず、取得価額に含まれる優先的施設利用権に相当する部分の価額を会員募集時の預託金と
入会金から按分して算出します。
250万円(購入価格)×[500万円(入会金)/2,500万円(募集金額)]=50万円
募集金額に対する入会金の割合が20%なので、購入金額250万円の20%に当たる50万円が優先
的施設利用権に相当する部分の価額に当たると解釈している訳です。
50万円(優先的施設利用権に相当する部分の価額)+100万円(名義書換料)=150万円
このケースでは、150万円が取得費となる
要するに、@を選択し先々売却した場合の取得価額は、募集金額または市場での購入金額(名変料、手数料も含む)の全額となりますが、Aを選択した場合はその一部しか取得価額として認められないということです。
同じ金額で購入しても、税金の還付金(率)に大きな差が生じますので、自身の収入に照らし合わせてよ〜くお考えになって選択して下さい。下記のケースでは@を選択した方がお得ですね。
・弁済金の最高額・預託無し(650,000円×3・77=245,050円)<税金の還付金
・弁済金の最高額・預託有り(950,000円×3・77=358,150円)<税金の還付金
※最高額面650万円は、太平洋クラブ12番目のコース「太平洋クラブ成田コース」の開場に伴い、
会員募集(定員400名)を行った時のものです。
募集金額1100万円(預り保証金650万円、入会預託金300万円、入会金150万円)
基本的には、収入が多くてバブル時に高額で太平洋クラブ会員権を購入された方は、@を選択しておいた方が先々売却した場合に、節税効果が大きいということになります。少しでも損した分を取り戻して下さい。
※あくまで個人的な見解です、詳細は国税庁及び所轄税務署でご確認下さい。
※弁済率3・77%を乗じた弁済金は、募集金額の預託金部分から引くのか、取得費から引くのか?
※先々の売却時に、「損益通算」の制度があることが条件となります。
※上記取得費の計算(国税庁)で、利益(実質は損)が出た場合はどうなるんでしょうか?
また、今回のケースで退会を選択した場合の弁済金は、入会預託金(300万円)無しの方で最高65万円、預託金のある方で95万円となっています。現在の太平洋クラブ会員権売却相場は140万円〜150万円(5月15日現在)ですから、退会を選択せず名義書換(8月30日まで)を行っている間に、売却した方が遙かにお得ということになりますね。
勿論、この間に売却した方で損益が出た方は、確定申告(平成26年)をすることにより税金の還付を受けることが可能です。損益通算の税制も継続されておりますので100%問題なく受けられます。
↓↓↓ 平成25年9月24日追加
預託金債権者の弁済額は、下記の通り若干ではあるがアップされましたが、売却損による税金の還付に関する基本的な考え方(あくまで個人的な見解)は前述通りです。
@ 継続保有(再預託あり) |
10%を再預託(20年据置)
弁済金無し |
→ |
10%を再預託(20年据置)
残り1・82%弁済 |
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A 継続保有(再預託なし) |
3・77% |
→ |
5・59%の弁済 |
|
B 退会 |
10・00% |
→ |
11・82% |
同じ金額で購入しても、選択により税金の還付金(率)に大きな差が生じますので、ご自身の収入に照らし合わせてよ〜くお考えになって下さいね。
↓↓↓ 平成25年9月27日追加
国税庁、@の継続保有(再預託あり)は下記「ア」に当てはまらない見解
ア 会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権の一部のみを切り捨てられた場合
には切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないものと取り扱う。
イ 預託金債権の全額を切り捨てられた場合には、更生手続等により取得した優先的施設利用権のみの
ゴルフ会員権の時価相当額として取り扱う。← 平成24年8月改定
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弊社へ問合せてきた太平洋クラブの会員が、太平洋クラブの更正計画案が可決され名義書換が再開された後に、当該会員権を売却した場合の取得費は、募集入会或いは会員権業者(手数料・名義書換料含む)から購入した金額でいいのか国税庁に尋ねたところ、”「ア」には該当しません”と言われたそうです。
国税庁は、弁済金を受け取った時点で一旦精算されるため継続性がないと判断。弁済金がゼロで、11・82%がそのまま再預託されれば全く問題なく「ア」に該当しますから、取得費は、「切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないものと取り扱う」との見解。
何度か聞き直したそうですが、キッパリと言われたそうです。
要するに弁済率を預託金額の10%(20年据置)のままにしておけば弊社の見解通りだったものが、弁済率を11・82%にアップして1・82%の弁済を受け、残り10%を再預託(20年据置)にしたため、見解が違ってきたというのです。
ここで改めて弊社の見解を申し上げることは控えますが、恐らく、まだ先の話ですが名変再開後の譲渡による確定申告(27年2月〜3月)において、訴訟問題が出て来るものと思われます(損益通算の制度が来年も継続された場合の話ですが)。
所轄税務署によっても見解が違うケース(太平洋クラブ以外の倒産ゴルフ場)をよく耳にし、弊社も対応に苦慮しております。そこで、国税庁さんにお願いします、損益通算出来るゴルフ場及びケースを詳細に記したものを作成(有識者と協議し)し、HPで「倒産ゴルフ場に関する国税庁の見解」として発表(素人が見ても分かるように)して頂けませんでしょうか。
是非、お願い申し上げます。
尚、この件(太平洋クラブの会員権売却)に関して弊社に問合せされても困りますから、直接、国税庁で確認をとって下さいね。
但し、有識者の方でこの件に関する見解があれば、メールにて投稿して下さい。是非とも有識者の方のご意見をお聞き(弊社HPで公開)したいと思っております。弊社HPをご覧の方にも参考になるかと。何卒、よろしくお願い申し上げます。
→ 損益通算、平成26年度から廃止に?(平成25年11月29日追加)
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