阪奈カントリークラブ(18H、大阪府大東市龍間266-8)に土地を貸している地主4人(内1人は高裁で和解)が、土地の明渡しを求めた訴訟で、大阪高裁(紙浦健二裁判長)は大阪地裁の判決を取り消し、地主に土地を明け渡すように命じる逆転判決を言い渡したことが判明した。
大坂地裁は、「権利の濫用に当たる」とし、地主の請求を棄却したため、地主が判決を不服として控訴していたもの。
→ 阪奈CCの過去の経緯
争点となったのは下記2点だが、判例は少し難しい表現になるので簡潔にまとめてみると、
@ 賃貸借契約の解除の有効性(債務不履行)、
A 土地の明渡請求の権利濫用該当性、
地主側(ゴルフ場の旧オーナーは樋口吾一氏で、地主はその一族)の主張は、
・賃貸借契約は、樋口氏(一族)が経営する条件で合意した賃貸借契約。
(一族を経営者とすることが会社の債務だが、現状は債務不履行となっている)
・一族以外の経営陣になったので賃貸借期間は満了している
・コースの改修により「18H、合計で5532ヤードもパー71のゴルフ場を維持が可能
会社側の主張は、
・一族がゴルフ場を経営することが会社の債務との主張を窺わせる条項はない
・更生手続きを牽制する訴訟だ、
・地主等は、ゴルフ場が存続する限りは土地明渡しを求めることば考えていなかった
・土地を明け渡した場合、「4844ヤード、パー64になり、ゴルフ場として継続が不可能で、
会員、地区住民、雇用等の損失が発生→契約解除は権利濫用
大阪高裁の判断
・会社の債務は、両者との間で「約定があるとは認められない」とし債務不履行は認めない
・権利の濫用は(最高裁の昭和57年10月19日の判決を採用)、
1、更生手続きを牽制する訴訟とは認められない、
2、賃貸借契約に更新を予定した条項がない
・コース改修案については
1、会社案は、建設会社の経理担当者が設計で専門家ではないので合理性がない
(地主案=コース等の設計事務所が検討に値する)
2、ゴルフ場として経営を継続できるので権利の濫用とまでは認められない
高裁判決は、
判決確定の日から1年間が経過した日限りにおいて、会社に土地の明渡しを命じる
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