平成13年3月に民事再生手続きが認可決定し、16年4月27日に再生手続き終結決定を受けた北六甲カントリー倶楽部(神戸市北区大沢町上大沢1928、TE:L078-954-0721)の経営会社・星田ゴルフ(株)は、今年4月26日に再生終結から満10年が経過することを機に、「民事再生確定10年経過報告会」を5月13日に開催したことが判明。
同社は、この10年間に返還債務の圧縮や財務内容の改善を行い、預託金返還希望者(退会会員30名、元本の20%を10回分割)に総額約5千万円の弁済を済ませたという(4月28日に最終弁済が完了)。
また、今年7月1日〜24年12月31日までの期間、名変料を現行84万円から52・5万円に値下げし、来年4月1日〜9月30日まで継続会員の預託金返還申込受付を開始、練習場を含む収益等から年間総額1億5千万円を限度に10月31日に随時弁済していく予定。尚、25年1月からは補充会員の募集も開始する計画だとか。
民事再生法等の法的整理に入るゴルフ場は多々あるが、会員と二人三脚でゴルフ場の自主再建に向けて歩んむケースとしては、全国でもそう多くはないかと思われる。結局は経営者次第ということに、その誠意に会員も賛同し、再建が実現するのであろうかと。誠に評価したいものである。
法的整理に入るゴルフ場の中には、負債総額100億円(内、預託金債務98億円)等、預託金の返還逃れを目的とした(経営者の責任逃れ)倒産劇も多く見受けられる。中には、数年しか経っていないのに集めた預託金額の何倍もの負債を抱えて倒産するケースもある。
単純に1000万円募集で2000人集めた場合、200億円の資金ができる。ゴルフ場建設費が100億円として、毎年2億円の赤字を出し5年経過したとする。そこで民事再生法を申請、負債総額100億円となれば、誰もが90億円は何処に行ったの?、何で負債総額が100億円なの? と不思議に思うのが世の常ではなかろうか(金額等は仮に想定)。
ちなみに、バブル崩壊以降の法的整理ゴルフ場は815コース(今年3月末現在)、負債総額は16兆164億円でバブル期に開発し会員募集したゴルフ場の半数が法的整理を申請している。皆さん、16兆円ですよ!
これだけあれば消費税を10%に上げなくても済むのに。
話は少し逸れてしまいましたが、北六甲CCのホームページ(http://www.kita-rokkou.co.jp)を覗いてみましたが、詳細な会員数やメンバー料金、クラブ競技情報、会員権相場等、きめ細かく掲載されていました。自社の会員権がどのように評価され幾らで売買されているのか、メンバーは勿論のこと、ビジターにもオープンにしている点は、他ゴルフ場も見習って欲しいものである。
尚、同CCの5月31日現在の相場は、150万円売り・120万円買いとなっていました(会員権業者・(株)会員権センターHP参照、TEL:06-6946-7661)。同CCの継続会員の多くは380万円額面で返済金額は133万円ということから、このまま評価が上がり相場が上向けば、返還希望会員も市場で売買するようになり、ゴルフ場サイドの負担も軽減されることであろう。
兎にも角にも、これからも会員を中心としたクラブ運営を行って頂きたいものである。目先の利益追求のためビジターを詰め込めるだけ詰め込んで、年会費を納めている会員を無視するようなゴルフ場運営は止めて頂きたいものである。皆さんはどう思われますか?
↓↓↓ 平成24年10月26日追加
平成24年10月18日に預託金返還の公開抽選会(弁護士及び一部会員立ち会い)を行い、返還申請会員126名の内39名に返還されることになったという。
最後の当選会員の預託金額が525万5000円となり、年間返還限度額1億5千万円を438万5000円オーバーしたため、最後の当選会員への返還は97万円とし、残りは来年に抽選に関係なく優先して返還される。次回は今年11月1日〜来年8月31日受付となっている。
ちなみに、10月26日現在の北六甲CCの会員権相場は、”150万円売り・110万円買い” の気配。
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