法的整理を行ったゴルフ場は、平成21年が会社件数で26件、関係する既設ゴルフ場は29コース、20年が30件で32コース、19年が41件で48コースとなっている。
その中で、更生計画案や再生計画案、清算協定の決議を行っていない企業及び決議を行ったものの否決されるなどで他の倒産法(更生法・破産)に移行し手続きを継続している企業、それに破産手続きを継続中の企業を調べたところ、13件、14コースあることがわかった。
そこで、本紙はこれらゴルフ場の動向を調べてみた。
法的手続きの内訳は、更生手続きがBFRCC、J&PCC(現・平和観光J&PGC)、広島中央CC(芸南CC含む)、東千葉CC(再生法から更生法に)、グリーンエースCC(同)の5件、破産手続きも三重中央CC、信州駒ヶ根CC、紋別CC、最上川高原GC(特別清算から破産)、ミッションヒルズCC(再生法から近々破産手続開始)の5件で、再生手続きは五島CC、フォレストヒルズG&R、白須那CCの3件となっている。
再生手続きは迅速で早期に手続きが終了するケースが多いが、更生・破産の手続きは時間がかかることを示している。
最も長期間に渡って手続きを行っているのはBFRGC(現・パシフィックブルーG&R国東、18H、大分)で、平成19年12月9日に更生法の保全命令を受けてから約2年半を経過しても、更生計画案を裁判所に提出していない状況となっている。
同GCには、約3000名の韓国人会員債権者(預託金債権者)が在籍しているなどで、手続きに遅れが生じているとみられる。
もっとも、ゴルフ場は本紙等で報じた通り、韓国系金業が事業譲渡を受けて預託金会員権(500円)を発行して会員を救済しているだけに、ほぼ手続きは終了したともいえる。
ところで、13件中で自主再建を目指しているのは再生手続きの五島CCのみで、他の12件(13コース)はスポンサー型・事業譲渡型(以下、スポンサー型と表記)の再建となる。
この12件でスポンサーが決定あるいはスポンサーの募集が終了しスポンサーが内定しているのは、先のBFRGC、ミッションヒルズCC、東千葉CC、広島中央CC(芸南CC含む)、白須那CCの5件で、三重中央CC、信州駒ヶ根CC、紋別CC、フォレストヒルズG&Rの4件はほぼスポンサーが決まっているか、候補選定の最終段階にある。
現在、スポンサーを募集(募集予定含む)しているのはJ&PCC(更生管財人=村辻義信弁護士、TEL06-634-3343)、最上川高原GC(特別清算が不調に終わり、平成21年11月16日に破産手続開始、負債約1億8000万円、破産管財人=安部敏弁護士、TEL023-63l‐1541)、グリーンエースCC(更生管財人=森恵一弁護士、TEL06-6203-7112)の3件。
もっとも、グリーンエースCCのスポンサー募集は、管財人サイドによるとすでに最終段階に入っているという。
なお、湯田高原CC(18H、岩手)は既報通り再生手続廃止で破産となったが、今回の調査で今年3月15日に破産廃止となっていることがわかった。
同CCは既報通り市川造園グループが、昨年12月24日にゴルフ場事業を譲り受け営業を行っている。 |