昨年のプロゴルフツアーは、男女とも最後まで白熱した一年だった。
男子は石川遼プロが、さわやかなルックスと会見での誠実な受答えに加え、最年少賞金王をも獲得。女子は横峯さくら、諸見里しのぶ、有村智恵各プロが三つ巴の賞金女王獲得争いを展開した。
こうした若手プロの活躍は、ゴルフファンだけでなくゴルフに馴染みのない人たちからも大いに注目され、ツアー競技ギャラリー数は男女とも前季に比ペ2桁増加となった。
またテレビ視聴率(株)ビデオリサーチ調べ、関東地区の番組平均世帯視聴率)でも、10%を超えた試合が続出(最高視聴率は男子が日本プロ最終日の16・1%、女子がLPGAツアーチャンピオンシップ最終日の12・4%)している。今季もさらに若手層の拡大と、ベテラン勢を含めた熱戦に期待したい。
一方、ゴルフ用品業界に関しては、ツアー競技が世間の注目を浴びゴルフが身近なスポーツになりつつある中で、売上の要となるドライバーを始めとしたゴルフクラブの販売で苦戦を強いられている。
苦戦の原因は、日本経済の低迷による購買意欲低下もそうだが、ドライバーの反発規制が大きい。規制の数値内で開発することから、かつてのチタンドライバーのような革新的な商品を生み出すのは難しく、消費者の心もなかなかつかめないようだ。
今年はさらにアイアンのフェイス溝にも規制が入る(1月1日発効)。もっともこの規制は、プロや競技会ヘ出場するアマチュアを除き2024年まで使用できるのだが、用品メーカーにとってさらなる打撃となるのは必至だ。
そうなると、用品メーカーがゴルフクラブの次に注目するのが、近年販売好調なゴルフウェアだ。昨年12月にSRIスポーツとアパレルのワールドが協業していくと発表した。これからは、機能性とファッション性を備え、ゴルフ場内だけでなく街中でも着られるウェアが次々と販売されることが予想される。
ゴルフウェアが日常に浸透すれぼ、ゴルフがますます身近なものになっていき、将来的なゴルフ人口拡大の可能牲もでてくる。用品業界には、カジュアル化をさらに進めた商品開発をお願いしたい。
▼ ゴルフ業界は創意工夫でデフレ圧力の克服を
▼ 料金高い、オヤジくさい等のイメージを一新へ
▼ 環境問題は継続の課題、ゴルフ場の特性も生かせる
▼ 倒産・経営交代のゴルフ場の減少は今後も続く
▼ 会員権相場は低迷続く、個人ニーズの掘り起こし必要
▼ 用品業界はカジュアル化をさらに進めた商品開発を
|