ゴルフ場企業の法的整理は再生法の利用で申請が増えた平成14、15年をピークに減少が続いており、世界同時不況に見舞われている今年にあってもさほど影響していない。
本紙が集計した平成21年上半期(1〜6月)のゴルフ場企業法的整理件数は14件(既設ゴルフ場数15コース、建設中・認可未着工ゴルフ場数0コース)となり、前年同期の16件(既設17コース、建設・認可0コース)と比べ2件、2コース減となった。
負債総額は1792億円で、前年同期の2352億円と比べ560億円減少、1件当たり負債額も128億円円で18億円減少した。
法的整理を申請した企業の内訳は、民事再生法が8件(前年同期11件)、会社更生法が1件(2件)、破産が2件(3件)、特別清算が3件(ゼロ件)。
21年6月の法的整理件数は2件(既設2コース、建設・認可0コース)で、戸山CC(18H、広島市)を経営する(株)戸山カンツリー倶楽部が2日に特別清算を申請、またグリーンエースCC(同、兵庫県)を経営する日本グリーン開発(株)が12日に民事再生法を申請している。
過去5年間の上半期における法的整理推移をみると、大型倒産や預託金償還間題が峠を越えたこともあって年々減少傾向にあり、21年上半期はピーク時に比ぺると件数で5分の1程度にまで縮小している。
今年の特徴は特別清算の活用例がやや目立つ点で、先の戸山CCの他、ザ・オーシャンGC(茨城)の小木津産業(株)(4月10日申請)、ハッピーバレーGC(北海道)の樺戸開発産業(株)(旧・マルホ観光開発(株)、5月19日申請)を合わせ3件となった。
→平成21年、最新・ゴルフ場倒産ニュース
また再生計画認可後に、更生手続きが適用された(株)東千葉CC(3月23日更生手続開始決定)のようにスポンサーの都合で混迷化するケースが出ており、資金需要等で再建手続きが長期化する様相にもあるようだ。
ただし、全国のゴルフ場の約3分の1が法的整理を経験したこともあり、今後件数が大幅に増えるほどの状況にはない。
なお、バブル崩壊以降の法的整理件数は21年6月末時点で621件となった。コース数は既設776コース、建設・認可48コース、負債総額でが15兆7521億円にのぼる。
→平成20年の法的整理ゴルフ場一覧 |