ゴルフ用品メーカー各社では、国内の景気悪化に伴う消費冷込みを懸念し、例年ならば翌年発売する新モデルを年末商戦に当てようと前倒し販売を行った。
昨年は用品の中でもゴルフウェアが、女性ものを中心に順調に販売実績を伸ばしたようだ。しかし、ゴルフクラブは空前のゴルフブームに沸き、大口輸出先でもある韓国ヘの輸出が深刻なウォン安から、7・2%ものマイナスとなった(財務省貿易統計、20年1〜10月累計、韓国ヘのクラブ輸出価額は173億6538万4千円)。
昨年末には、大企業による”派遣切り”や非正規雇用者の”雇い止め”が問題化したことで、消費者の緊縮財政は今年も続きそう。
用品メーカーには、技術革新はもとより経営戦略でも販売チャネルの明確化、細分化がより一層求められるだろう。また、好調のゴルフウェアを取っ掛かりにして、ゴルフクラブやポールの消費を促す方策も有効かもしれない。
一方プロゴルフ業界では、プロ入り1年目にして賞金総額1億円突破の快挙を果たした石川遼選手が、話題を独占した。石川選手効果で、男子プロツアーはギャラリー数が50万人を超え、視聴率も5試合で10%台を記録するなど、世間の注目度が大いに上がった。
女子プロも、若手選手の活躍が大いに目立ち、最終戦の最後で古閑美保選手が賞金女王になるなど見せ場も多く、安定した人気を保っている。
プロゴルファーの活躍は、ゴルフのイメージアップに繋がる。一般ゴルファーのプレー意欲にも刺激を与える。
この絶好のチャンスを逃さず、今季ツアーでも世間をうならせる白熱した試合展開を、プロゴルファーをはじめプロゴルフ業界に期待するとともに、業界挙げてバックアップしたい。
▽平成20年・主要ニュースのまとめ・ゴルフ業界の動向
▽ジュニア対策のほか、レディス・シニア対策が急務に
▽ゴルフ場は地域結束で、ゴルフ振興・エコ対策等へ
▽会員権相場は低迷続く、会員交流の活性化で需要喚起を
▽用品業界は好調のウェアを取っ掛かりに消費促す方策を、プロゴルフ界には
|