ゴルフ会員権相場やゴルフ場の会員募集は、17年末からの盛り上がりが同年秋頃で終息し、再び低迷期に入った。
下記の表にもある通り、関東ゴルフ会員権取引業協同組合が発表している関東地区のゴルフ会員権の平均相場は、20年末に210・5万円となり、19年同期より3割も値下がりし、ほぼ6年前と並びバブル崩壊後の最安レベルとなった。
関西の平均相場は20年末が127万円で前年同期よりも2割値下がり、6年前の209万円と比ペると4割の値下がりで、最安値を更新している。
今回の世界的な金融危機で、会員権の相場は長期低迷も否めない情勢となってきた。会員権業界は商いの少ない状況が続き、高額物の値下がりにより取扱い高も減少している。
一部に特定商取法違反で家宅捜案を受けたり、償還・法的整理がらみの商売で問題となっている業者も出てきている。業界はこうした状況だからこそコンブライアンス(法令遵守)を徹底しておく必要があろう。
肝心なのはゴルフ需要を発掘し、会員権需要に結びつけること。鹿児島県阿久根市は職員倫理の禁止事項から”ゴルフ”を削除したが、その理由はゴルフや旅行は交流を活発にし、地域の活性化にも役立つと判断したからだ。
ゴルフ会員権は、実需が伴わなければ動かない時代。需要発掘、育成に様々な企画が必要となる。
景気の悪化により、PGMの美浦GC(茨城)は今年の募集見送りを決定、他でも募集金額の大幅見直しを検討しているコースもあり、当面募集は苦戦が予想される。
募集するに当たっては業界、個々の倶楽部の発展のためにもシルパー世代やレディス、30〜40代が必要とする会員権、交流機会を生み出すことがゴルフ場に求められる。
それには名変料の値下げによる会員活性化が必要。安易な年金費の値上げは需要減退となり避けたいところだ。加えて、信頼できるだけの経営の透明性が求められる。
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