全国閉鎖中ゴルフ場は15コース、前年に比べ1コース減

　本紙では毎年8月、改造等を含む閉鎖中ゴルフ場及び増設ゴルフ場の調査を実施しているが、今年も新たな閉鎖や閉鎖から再開場する動きが活発な一方、増設工事については依然停滞が続いている状況だった。

　閉鎖中ゴルフ場の調査では、本紙既報の

　ワークジャパンＧＣ札幌Ｃ（旧・札幌セントラルＧＣ、北海道）をはじめ、

　下北スリーハンドレッドＧＣ（旧・六ケ所ＣＣ、青森）、

　黒磯ＣＣ（栃木）、

　パインズ日光ＧＣ（旧・ウイングフィールドＧＣ、栃木）、

　ＴＯＳＨＩＮ Ｐｒｉｎｃｅｖｉｌｌｅ ＧＣ（旧・樹王ＣＣ、三重）、

　スプリングＧ・ＡＲ（旧・ギャラクシーＲＧＣ、兵庫）、

　チェリーＧＣ高梁Ｃ（旧・山陽チャンピオンズＧＣ、岡山）

　の7コース（1年以内に全面閉鎮し再開場した3コースを含む）が、この1年で営業を再開した。

　その一方で、5コースが新たに全面閉鎖しており、前回調査から引続き閉鎖中のゴルフ場と合わせると15コース（前回調査16コースから1コース減）となっている。

　閉鎖中の15コースを都道府県別でみると、北海道が4コースと断トツで、以下、山形・群馬・兵庫各2コース、福島・栃木・山梨・三重・長崎各1コースと続いており、関東以北での閉鎖が目立つ。

　新たな閉鎖コースでも営業不振での閉鎖が目立った。遠軽口ックバレーＧコース（北海道）は9ホール営業で入場者が少ないことから今シーズンよりクローズした。かんなＧＣ（群馬）は破産会社から施設を買収した企業が平成19年12月に撤退、コースが閉鎖となり県税や町税を滞納したことで県と町から公売にかけられたが不成立となり、営業再開などの目途が立っていない。

　長崎県の西海橋ＧＣＣは、昭和49年に開場した9ホールの会員制ゴルフ場だが、平成18年秋から閉鎖していたことが判明。経営会社は法的整理をせず自然消減しコースは無管理の状況のようで、会員も連絡先がわからずに苦盧しているという。

　鈴鹿の森ＣＣ（三重）は14年10月に認可を受けた再生計画の譲渡案が白紙となり今年2月からゴルフ場を閉鎖、同年5月にはアコーディア・ゴルフが会社分割で同ＣＣの事業を継承すると告示しており、営業再開の準備を進めている。

　アサヒＧＣ姫路（兵庫）は、休眠状態だった前経営会社によるゴルフ場占拠や訴訟問題といったトラブルで今年5月20日から営業を停止しているが、これらトラブルは解決に向かっており、今年9月末の営業再開を目指す方針を打ち出している。

　なお、北海道で西武グループが運営していた函館大沼プリンスＧコースと同駒ヶ岳コースは、業績低迷から同グループの北海道ＣＣヘ経営資源を集中させるため、19年シーズンでゴルフ場としての営業を終え、現在は両コースの一部をウォーキングコースとして開放している。

　本紙では”閉鎖中にもカウントせず既設ゴルフ場の基準から外した。

　前年8月調査時から続いて閉鎖中のゴルフ場は10コースとなっているが、そのうち再開場の時期がわかっているのはコース・ハウス改修で全面閉鎖しているケントスＧＣ（栃木）と、新会社が競落してコースメンテナンス中のＳＫ白河ＧＣ（福島）の2コースだけだ。

　あとの8コースに関しては、サンマリーナ玉庭ＧＣ（山形）のように転売に向けてコースを管理しているケースを除くと、再開場の可能性はきわめて薄い。

　中でもステイタス新函館ＧＣ（北海道）や榛名ＣＣ（群馬）など経営会社が雲散霧消しているゴルフ場では、閉鎖からある程度年数が経ちコースは原野と化し、ゴルフ場としての原状回復は非常に困難な様相だ。

　ちなみに、本紙で既報した東農ＣＣ（岐阜）や近鉄浜島ＣＣ（三重）、よみうりＣＣ（兵庫）等が短期間ではあるがリニューアル工事のためにコースを全面閉鎖した。こうした積極的な短期閉鎖を含めると、ゴルフ場を閉鎖する動きは依然多くなっている。

　一方、増設中ゴルフ場調査では建設中コースが前回調査と変わらず6コースとなり、認可未着工が6コースで前回調査に比ペ2コース減少している。札幌スコットヒルＧＣ（北海道）と鷹彦スリーＣ（茨城）の2コースで、増設計画の事業廃止済みがわかったためだ。

　これら増設計画12コースのうち、動きがあったのは前回調査でも報じた天野山ＣＣ（27Ｈ、大阪）1コースのみ。同ＣＣは平成11年に増設9ホールの建設に着手し、その間民事再生法を申請した（15年5月再生認可）ものの、着実に工事を進めてきた。現在は芝養生中で、増設9ホールを含めた36ホールでの営業は今年10月1日の予定だ。

　ちなみに同ＣＣは、19年5月から増設に伴う会員募集を357・5万円で実施し、4カ月ほどで募集定員（100名）に達している。

　認可未着工の壱岐ＣＣ（9Ｈ、長崎）は、申請から2年9カ月過ぎた今年1月に民事再生計画案が認可決定。増設計画の具体的な方針は未定ながらも、将来の18ホール営業を目指し意欲はみせている。

　　　　　↓↓↓ 平成28年12月20日追加

　全国で閉鎖（完全閉鎖・一時閉鎖・一部閉鎖）したゴルフ場一覧、都道府県別に掲載