「埼玉県や東京都の東部を氾濫区域にもつ利根川や江戸川の右岸堤防が決壊すると、首都圏は壊滅的な被害を受ける」として、国土交通省では堤防強化工事を行っているが、工事地区の江戸川右岸河川敷にある「越谷ゴルフ倶楽部」(埼玉県、TEL:048-982-2311、PGMグループ)は、今年10月末で18ホールの吉川コースを閉鎖し、11月から18ホール(三郷コース)営業にすることに決めたことが判明。
吉川C周辺の工事は2年間の予定で、工事終了後に同Cの18H維持は難しいと判断し、9Hに改造する計画。それ以降の工事でも、三郷C周辺も対象になる予定で、最終的に吉川と三郷の組み合わせて18H営業になるという。
また、平成3年に建て替えたクラブハウスも工事の対象となる予定で、建て替える計画だ。数年にわたり国交省に工事延期をお願いしてきたようだが、これ以上の延期は無理と判断したという。吉川Cでの18H営業は今年10月末までとなる模様。
参考までに、同GCは昭和40年9月に、富沢誠造氏の設計でTBS越谷GC上流C(現・吉川C)として18Hでオープン。昭和41年9月に、下流C(現・三郷C)も完成し36H営業に。43年から45年までTBS女子オープン(現・日本女子オープン)も開催している。
昭和53年に経営権が(株)ティービーエスゴルフから大洋緑化(株)〈当時は大洋(株)〉に譲渡、ゴルフ場名を越谷GCに変更したが、既報通り平成16年2月に大洋緑化が会社更生法を申請、後にPGMグループの傘下となった経緯をもつ。
尚、国交省の工事は江戸川上流の右岸、利根川(群馬県に至る)の一部右岸でも予定されており、他の河川敷ゴルフ場にも影響が出てきそうだ。
河川敷のゴルフ場は、台風等の大雨により冠水するリスクがあり、またゴルフ場用地自体が国からの借地であるため、どうしても今回のようなケースは出てきてしまう。河川敷のゴルフ場会員権を購入する場合、このような点(リスク)も理解した上で検討して頂きたい。
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