平成19年度(19年4月〜20年3月)の国内ゴルフ場価格(任意売買代金、営業譲渡代金、法的整理時のスポンサー拠出金、競売価額、不動産鑑定価額、簿価等含む)が判明した国内ゴルフ場は廷ベ69コース(内パブリック16コース、セミパブリックコース、建設中1コース) で、その内の売買が成立した国内ゴルフ場の1コース平均価格は13億4822万円で、前年度と比較して1割以上下落していることがわかった。
売買の成立・不成立にかかわりなく、価格が判明した69コースの1コースの単純平均を算出すると12億1903万円で、前年度(72コース)の14億7713万円と比較して2億5810万円の下落、率では17・5%の下落となった。
その69コースの内で10億円以上の価格をつけたのは26コース(前年36コース)となっている。
69コース中で売買が成立した44コースの1コース平均価格を算出すると、13億4822万円となる。前年度(50コース)の15億4089万円と比較すると1億9267万円のダウン、率では12・5%のダウンとなった。
また、成立した売買で単独コースでの売買価格の最高額は、PGMグループが会社更生手続きで茨木国際GC(27H、大阪)を取得する際にスポンサーとして拠出したといわれている推定75億円で、50億円を上回ったのは同GCのみとなっている(前年度も1コースのみ)。
複数以上のゴルフ場をセットで買収した最高額は、総武CC(計54H、千葉県)等4コースを経営し民事再生手続きとなった総武部市開発(株)の株式取得額(再生計画に基づき、会社分割でゴルフ場事業を承継した新会社の株式を取得手続中)の120億1000万円で、これも取得したのはPGMグループだった。
もっとも、PGMは担保権者でもあり、担保権(79億円)の取得費用は不明ながら67億円は弁済を受けているので、実質的なPGMの投下資金は100億円を下回る模様だ。
一方で、最も価格が安かったのはアコーディア・ゴルフグループが任意売買で経営会社の株式を取得した代金の2000万円で(サンクラシックGC・岐阜県)、”負債付きだから低価格となった”といわれている。
ちなみに、前年度は10億円を超える価格の付いたゴルフ場は成立の50コース中24コース(46・2%)だったが、19年度は44コース中17コース(38・6%)にとど待った。
高額売買が前年度から減少した結果、1コース当たりの価格が下落したものとみられる。その背景にあるのは、これまでゴルフ場経営に進出してきた国内の新興不動産会社や投資ファンドの撤退があるようだ。
チャーミング・リゾートのブランドでゴルフ場事業を展開してきた一部上場のゼクス(株)は系列ゴルフ場6コースを昨年から今年にかけて相次いで売却、大証ヘラクレス上場で不動産ファンド運営の(株)レイコフはゴルフ場等への過剰投資て法的整理となり、リゾートソリューションも一時期の勢いがなくなっている。
利益還元をあまり望めないゴルフ場投資ヘの魅力が薄れ、加えてPGMやアコーディアのように株式上場により、これまでの投下資金を回収するという手段にも限界がみえはじめ、買い手側の提示する買収価格は今後ダウンし、ゴルフ場の売買価格は低迷するとみられる。
なお、今回の売買の基礎データである個別ゴルフ場の売買価格や鑑定価額、売買形態等は、今年5月下旬に発行予定のゴルフ特信資料集「2008年ゴルフ場企業グループ&系列」(定価5000円=税込み、送料別=特信読者は送料サービス、購入予約受付中)に一覧で掲載する。
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