PGGIH(株)(パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス(株)、東京都港区、TEL03-5776-8800、草深多計志社長)は、株主配当を実施すると5月26日に発表した。
上場しているゴルフ場経営・運営の専業会社は、同社と(株)アコーデイア・ゴルフの2社で、アコーディアは先行して株主配当を今年6月末に実施することを決めている。
PGGIHの発表によると普通配当を年2回実施し、初の配当は今年6月30日付けで株主名簿に登録されている株主が対象者となる。
今回の配当時期は会計監査終了後で、1株当たり1250円を配当する。同社の昨年12月末の発行済株式数は118万659株(同社の設立母体であるローンスター(LS)グループが過半数の株式を保有)なので、総配当額は14億7582万円余となるようだ。
次回の配当も1250円を予定しており、年間配当額では約30億円にもなる。
アコーディアが1株1000円(年間)の配当を決めた後も、同社はアコーディアに追従することなく株主配当は当面実施しない方針にあった。
しかし、一転して配当を決めたのは、一つの理由としてライバルであるアコーディアと株価が拮抗しており、株価で優位性を維持したいという思惑があるようだ。
株主配当は、両社ともに経営方針を変更したともみてとれる。これまでは、ゴルフ場を買収することで事業の拡大を図っていた両社だが、複数のゴルフ場を一気に放出する企業や営業的に成り立つゴルフ場の売り物件が減少したことから、このような拡大政策の実行が難しくなっている。
利益をゴルフ場の買収に投下するのではなく、株主に配当することで株価をアップし、将来的には大株主であるLSグループやゴールドマン・サックス(GS)グループ(アコーディアの大株主)が、保有株式を放出し易い市場作りを目指しているものとみることができる。
いずれにしろ今後、両社はゴルフ場の運営・営業による利益確保をより重視する経営戦略に移行しつつあるようだ。このため、プレー料金を含む収入源のさらなる見直しや、経営の合理化、不採算ゴルフ場の売却などが盛んになるとみられる。 |