平成18年2月から会員権の名変を停止した「矢板カントリークラブ」(27H、栃木県矢板市)の会員権発行会社であるミヤ興業(株)(宮本勇治代表取締役、東京都新宿区歌舞伎町2-19-13、資本金2000万円)は、ゴルフ場は既に営業譲渡したことや、近く東京地裁へ自己破産の申請を行うことなどを。平成18年2月14日付けで会員など債権者に報告した。
同通知書によると、今冬季の雪の影響による売上げ減と今年1月に入って相次いで行われた矢板市役所・栃木県税務署による銀行預金・カード債権等に対する差押えのため、1月25日に従業員給与の支払い目途が立たなかったのが直接の原因としている。
負債は約47億円(債権者数約4250名)で、優先権を持つ滞納税金・退職金債権等が約2億円ある状況から、預託金債権に対する配当は見込めず、会員権は紙屑になりかねない状況だったとしている。
そこで、今年1月24日付けでユニマットグループ(→ 関連記事)の(株)矢板レインボーズ(鈴木秀夫社長=(株)ユニマットリバティー社長、東京都港区)に対し、矢板CCのクラブハウス建物・用地を含むゴルフ場諸施設一式を資産譲渡し、会員とは同社の間で追加金なく無額面会員契約を締結することで、プレー権(プレー会員権)を保護することとしたという。
矢板CCは昭和48年10月にオープン。宮本勇治社長によると、父親で創業者の宮本勇氏が死去後、59年から母親の宮本静子氏が経営に当たっていたが、資金繰りに窮しゴルフ場を売却しようとしたことから平成12年4月に母親を解任し、社長に就任し経営してきたという。
同社長は経費削減などで経営改善に努めていたが、平成16年9月には不動産競売手続きが実施されることとなり、17年10月頃からスポンサー探しを本格化させていた。ゴルフ場の売却代金は全てゴルフ場敷地等の担保権者への支払いと従業員給与の支払いに充てることから、会員への預託金返還は極めて困難としている。
現在は破産申請の資金も乏しい状況で、未納年会費の徴収や残余資産の売却などで申請準備を行う考えのようだ。3月4日に矢板市で、3月18日に東京で説明会を開く予定。
ちなみに、営業状況は年々悪化し、直近の平成17年9月期(16年10月〜17年9月)は入場者数が2万8109人(客単価8754円)で売上高は3・13億円となっていた。
会員数の合計は4239名(内正会員は3148名)で、預託金合計は32億6839万円余。平成12年6月には会員預託金の据置期間を5年延長する措置を講じたが、約800件の償還請求があり、裁判・調停で長期分割の和解を行っていた。
なお、(株)矢板レインボーズとは「矢板CC」の継続名称使用や現行の理事会・分科委員のシステム、和解条件の維持、それに最終正会員数は5000名とすることなどを取り決めたという。
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平成18年9月7日現在、同クラブ会員は、(株)矢板レインボーズと契約を締結することで、追加金を納入することなくプレー権は保護されました。契約を締結した会員には、無額面のプレー会員権を(株)矢板レインボーズが発行します。
前述契約に伴う会員権証書の差し替えはほぼ完了しており、旧証券は無効となります。尚、(株)矢板レインボーズは旧経営会社の預託金債務を継承していません。
↓↓↓ 平成22年6月2日追加
平成22年6月1日付、ユニマットリバティーが矢板CCを冠婚葬祭業のアルファクラブグループに売却
↓↓↓ 令和4年6月7日追加
令和4年4月27日付、アルファクラブグループから(株)須山液化ガスのグループ会社に経営交代
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