施設利用権を化体した株式及び預託保証金であるゴルフ会員権は取得価額をもって計上します。
それらに時価があるものについて著しい時価の下落(通常50%以上)がある場合には、回復可能性がある場合を除いて、有価証券の減損処理に準じて減損処理を行います。この場合株式形態のものは、直接減額します。
また、預託保証金形態のものは預託保証金を上回るものは直接減額、預託保証金を下回る部分は貸倒引当金を設定します。
貸倒引当金部分は、毎期洗替処理を行います。
業者が公表するゴルフ会員権の相場には、売買一本値(仲値に相当)と売値、買値の両建て表示がありますが、両建て表示の場合はその仲値または保守的観点から買値を継続して採用します。
時価のない株式形態のものは、発行会社の財政状態が著しく悪化した場合は有価証券に準じて減損処理を行います。
時価のない預託保証金形態の預託保証金の回収可能性に疑義がある場合には、預託保証金部分以外は直接減額、預託保証金部分は貸倒引当金を設定します。
ゴルフ会員権の発行会社の財政状態や預託保証金の回収可能性の算定方法は、個別の事情により異なり、一般的に規定するのは困難な状況です。
本来は、個別情報を整理し、最も妥当と判断される方法により評価を行いますが、代替手段として大手のゴルフ会員権取引業者に評価鑑定を依頼する方法も考えられます。
時価が存在しないゴルフ会員権は一部の譲渡不可の会員権を除き、価値が大幅に下落していることが多く、減損処理を回避することは妥当ではありません。
なお、時価と比較されるゴルフ会員権の価額は、直近の簿価です。
執筆:新日本監査法人 首藤修一氏
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