休刊のごあいさつ

『飛礫』編集委員会




 
  このたび『飛礫』は今65号をもって休刊いたします。
 財政事情で発行が継続できなくなったことを非常に残念に思うと同時に、あしかけ18年の長きにわたって愛読、執筆、販売、カンパなど多大のご支援をいただいたことに感謝の念でいっぱいです。厚くお礼申し上げます。
 労働者の総合誌『飛礫』は、「従来どおりではなにごともできない歴史の転換点にあって、わたしたちは労働者解放・人間解放を求めて」発行し、「労働者と民衆の、そして労働運動それ自身の歴史的な存在のありようを根底から問い直すこと、いままで自ら立ち立とうとしていた原点・原則の根底的問い直し」をつづけてきました。それは、「労働者や民衆の苦闘と模索を仲間に向けて発信し、それを交流し共有し合っていくこと」でした。執筆や翻訳をしていただいた労働者、市民運動活動家、農民、学生、研究者は1000人を超え、韓国、ペルー、フランスなどからも原稿を寄せていただきました。
 しかし、実際にはどこまでできたのか。それを考えると忸怩たる思いがいたします。志半ばのこの休刊であり、必ず復刊したいと思っています。それまでは『飛礫』別冊、ブックレット、パンフレットなどを適宜発行し、運動に寄与しつづけたい。労働者と民衆と運動のネットワークが読む・書く・売る・広めるものとしたい、と考えています。運動との不可分性が『飛礫』の命でありましたが、その命は形を変えても保持し発展させる所存です。
 ここにあらためてお礼を申し上げるとともに、つぶて書房の新しい形での活動に引き続きの協力をお願いして、休刊のごあいさつとします。
                      

2010年1月5日







有限会社 つぶて書房