ヒューズについて、

電気機器のほとんどに過電流遮断用としてヒューズが取付けられ設定された電流以上が流れると通電を遮断して機器を保護します。
あまり知られていませんがヒューズには

・速断ヒューズ
・普通ヒューズ(ノーマル・ブロー)
・タイムラグヒューズ(スロー・ブロー)
の種類があります。
速断ヒューズは主に電子回路保護用に使用され、過電流が流れると速溶断して機器回路を保護します。タイムラグヒューズはモーターなどの大きな突入電流などの瞬間の過電流が発生する機器の保護用として突入電流などの瞬間の過電流で溶断しない様に作られています。普通ヒューズは、速断ヒューズ、タイムラグヒューズの中間に位置するタイプです。
一般にカーショップ、ホームセンターで販売されているヒューズの多くは普通ヒューズになります。ヒューズは設定された電流値以上の電流が流れると溶断しますがヒューズ自体が抵抗体でありヒューズ材料が電流により発熱して、その熱でヒューズが溶けて切れるためにある一定の電流値で切れるのではなく流れた過電流値によって切れる時間が変わります。溶断特性とて普通ヒューズ(A種)は定格電流に対して110%では溶断せずに135%では1時間以内、200%で2分以内とされていますがこれも周囲温度5〜35℃でのことですから設置場所によってヒューズに設定された定格電流以内でも溶断する可能性があります。
また、モーターやランプなどがくり返しON,OFFされると突入電流によるダメージがヒューズに蓄積されるため切れやすくもなります。ヒューズに求められる機能は通常の動作状態では溶断せずに規定の異常状態になると速溶断することです。しかし溶断してはならない条件と溶断しなければならない条件は相反することですので二つの条件が折り合った値のヒューズが選ばれ機器に取付けられていると言えるでしょう。ヒューズはその特性上切れて機器の保護をしますが一般にヒューズは切れない方が良いと思っている方が多いのではないでしょうか。よく聞く話ですがヒューズが切れた時に同じ定格のヒューズを入れて使うとまた切れてしまうので定格の大きいヒューズを入れて済ましてしまう方がいますがこれでは機器の保護にならないばかりか故障を作りかねません。
ヒューズは熱によって溶断しますので定格より大きなヒューズが切れるにはより高い熱が必要となります。ヒューズは切れていないのにヒューズホルダーが溶けてしまう、ヒューズが溶断しないことで機器か深刻なダメージを受ける結果ともなります。同じ定格のヒューズが切れると言うことは切れる要因をがあり、それを見つけて取り除くことが重要です。
さて新たに配線をして各機器のヒューズとは別に幾つかの機器をまとめて配線保護を兼ねてヒューズを取付ける場合にはどの程度にすれば良いか、厳密に設定するにはモーター、DCDCコンバーター、ランプ類まどの特性に合わせ配線をわけて決めるべきですがなかなか難しいので一般的には機器の定常電流の約1.5〜2倍をヒューズ定格値の目安とすれば良いでしよう。(サウスロング)



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