リレーの知識
ここではリレーについて基本的な事について説明します。
リレーの種類としては
・機械式リレー・・・・・・機械的に接点を入切りするタイプで電磁作用で接点を開閉する
・半導体リレー・・・・・・機械的な接点を持たず半導体、抵抗などの電子部品で構成されている
・ハイブリットリレー・・・機械式リレーと半導体リレーの良いところを組み合わせたもの
  (リレーの分類方法には種々ありますのでここでの分け方は参考としてください)

一般にカーショップ、ホームセンターで販売されているリレーは機械式リレーですのでここでは機械式リレーについて説明します。(以下リレーと略します)
リレーは電磁石と永久磁石を使っているかで無極リレー(電磁石だけ使用、コイル端子に+、-極の指定がない)と有極リレー(電磁石と永久磁石を使用、コイル端子に+、-極の指定がある)に別れます。
また、無極リレーでもサージ吸収ダイオードなどが入ったリレーにはコイル端子に+、-極の指定がありますが一般に自動車用品として販売されているのはコイル端子に+、-極の指定がない無極リレーがほとんどです。1極、2極、または1P、2Pとの表示はリレーの接点数を表しています。

・接点の構成は
 a接点・・・通常は開いていてコイルに通電した時に閉じる
 b接点・・・通常は閉じていてコイルに通電した時に開く
 c接点・・・2つの接点をコイルの通電状態で切り替える
これを表記的に表すと
 1a・・・・1極のa接点リレー
 1b・・・・1極のb接点リレー
 2a2b・・・a接点が2極、b接点が2極のリレー

・定格通電電流
リレー表示の20A、30Aは定格通電電流で接点を開閉させずに温度上昇も限度を超えないで連続して流せる電流の値です。またリレーによっては最大電流30Aとい表示があります。これは短時間であれば30Aまで可能と言う表示で連続で流せる電流は20Aといった場合がありますので使用時に注意が必要です。余談ですがカーショップ等で販売されているもので30A/12Vリレーとして表示されたものが実際は最大30A/1分、連続20Aというのがありました。

・負荷の種類と突入電流
リレーは負荷の種類によって突入電流特性が違うためON・OFFの開閉頻度と関連して接点の容着を起こすことがあります。白熱電球は定常電流の10〜15倍、モーター類は5〜10倍の突入電流が流れてから定常電流になりますのでリレー選択時は負荷の突入電流も考慮して製品を選ぶ必要があります。弊社で販売している突入60A、通電、遮断20Aの小型リレーはその点バランスがとれた製品と言えるでしょう

・接点最大許容電流
接点開閉電流の最大値です。接点が開閉される時に接点間にアーク放電が起ることがあります。電流はACとDCがありますがACはプラス、マイナスと変化しますから電流がゼロの時点があるためアーク放電は消えますがDCは一度アーク放電が発生すると消えにくいためにACより制御容量は低下します。
リレーによってはACは15A、DCは10Aと表記されているのもありますが一般的にはAC125Vで表記されている電流容量であれはDCでも同じ電流容量まで可能と考えるのが妥当です。

・逆起電圧に対する保護
リレーのコイルOFF時にコイル両端に数百〜数千ボルトの逆起電力(サージ)が発生します。これは、リレーを駆動する電子回路を破壊する十分なエネルギーを持ち、周囲に電磁波を出して周辺機器の誤動作を引き起す可能性がありこの逆起電圧対策として幾つかの方法がありますが一般的にダイオードが使われています。吸収効果が大きく回路が簡単のためリレーに内蔵されたタイプもあります。はじめに説明した無極リレーにコイル端子極性があるのはこのためで、弊社で販売しているリレーで後付けでダイオードを取り付けているのも機器の保護のためです。

・寿命
リレーの寿命としては、機械的寿命と電気的寿命に分けられます。
機械的寿命・・・・接点に負荷をかけずコイルに定格電圧を加え入切りして、接点を開閉させた時の寿命回数
電気的寿命・・・・接点に定格負荷をかけコイルに定格電圧を加え入切りして、接点を開閉させた時の寿命回数
一般的に制御容量が大きくなるにつれて、機械的寿命・電気的寿命は短くなります。
電気自動車などに使用されているDC150A制御可能リレーではメーカー保証、機械的寿命10万回以上、電気的寿命1,000回以上、同じメーカーで15Aクラスのリレーになると機械的寿命500万回以上、電気的寿命50万回以上といった違いがあります。

リレーには小電流から大電流用まで各種ありますが使用用途にあったリレーを選ぶ事が大切です。
リレー動作時にコイル電流として12Vリレーの20Aクラスで70〜80mA、30Aクラスでは120mA〜150mAが消費されています。これを1日で計算すると20Aクラスでは約2A、30Aクラスでは約3A、60Aクラスでは約10Aも消費されてしまいます。サブバッテリーの保護装置の一部としてもリレーは使われ、うっかり機器の電源を切り忘れバッテリーが消費されてもバッテリー電圧が一定以下になるとリレーがOFFしてバッテリーを周辺機器(照明、冷蔵庫等)から切り離して保護してくれます。しかし1〜2週間使用されない場合は手動でリレーをOFFできればバッテリーはより良い状態を保てるでしょう。弊社のバッテリー残量計サブバッテリーコントローラSCP12B、SLプロテクターRC-10V・RC-20Vには手動でリレーをOFFできるSWが付いているのもご使用される方の判断でバッテリーを周辺機器(照明、冷蔵庫等)から切り離しより良い状態で保護するためです。(サウスロング)



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