中国環境ハンドブック2005-2006年版●●



はしがき    目 次   編集・執筆・協力者一覧  


中国環境ハンドブック

中国環境問題研究会編
A5判 440頁 定価3,150円
2004年11月刊行


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◆中国の急速な経済発展は地球環境に甚大な影響を及ぼすと考えられている。
◆豊かさを求める陰で環境汚染が進み、水不足や生態系破壊も深刻化している。
◆越境汚染防止やエネルギー安全保障体制の確立等、隣国日本も対応を迫られる。
◆本書はこの問題に総合的に取組む足がかりを築く狙いをもって編集・刊行。
◆専門家・NGOの協力を得て、その実情、基本知識、最新情報をとりまとめる。





  『中国研究月報 Vol.59 No.7』、社団法人中国研究所「書評」に紹介されました。

  朝日新聞「生活」(2005年5月24日)に紹介されました。

  『アジア経済 Vol.46 No.3』、アジア経済研究所に紹介されました
  読売新聞書評「本よみうり堂」(2005年2月6日付)に紹介されました。





日刊工業新聞「新刊」(2005年1月24日付)
に紹介されました。












毎日新聞「環境」(2004年12月20日付)
に紹介されました。













はしがき



 中国の環境問題は、中国のみならず国際社会を震撼させるようなインパクトを持ちます。世界最大の人口が、広大ながらも脆弱な国土の上で進めている急速な経済発展は、水の不足や汚染、エネルギーの不足を深刻化させ、場合によっては食糧危機やエネルギー危機を世界にもたらしかねません。越境汚染の防止やエネルギー安全保障体制の構築など、日本は隣人としてもアジアの一員としても中国の環境問題に否応なく関わらざるを得ません。しかし、極めて複雑で根の深い中国の環境問題と向かい合うためには、技術的側面や政策的側面はもとより、その背後にある社会システム、人々の意識や文化、さらには歴史や自然条件の次元にも踏み込みながら、総合的に考えてゆく必要があります。本書は、中国および環境に関わる多様な分野の専門家やNGOの切り口を交錯させることにより、中国の環境問題の過去・現在・未来という巨大な研究対象に総合的に取り組むための足がかりを築くことを目指しています。対象はあまりにも大きな存在であり、かつダイナミックに動いています。例えて言えばエンジン付きの巨象のようなものです。それに比して我々の力量は微々たるものでしかありません。しかし、中国でも日本でも、状況を改善するための様々な取り組みが日夜なされています。本書では、そのような取り組みを紹介し、研究や実務で関わる方だけではなく、中国の環境問題に関する情報を広く関心を持つ人々に的確かつわかりやすく提供したいと考えています。そして本書の出版が、「巨象」の鼻と尻尾を間違えず、かつ変化にも追いついていくための精一杯の取り組みを、より多くの人々と力を合わせて進めていくための推進力となることを強く願っております。

                                                     中国環境問題研究会
                                        明日香壽川 片岡直樹 大塚健司 相川泰








主要目次




特 集



第T部 日本の中国環境問題研究の回顧と展望


1.「中国と公害」の回顧と展望  宇井 純
  私の公害との関わり
  1973年に訪中して中国の公害に触れる
  中国の話は一切聞かず
  1996年訪中で中国の変化を知る
  中国の伝統技術をどう評価するか
  中国の公害は考えれば考えるほど頭が痛い

2.中国の環境に関する問題発見史  小島麗逸
  田舎暮し――貧困下の好循環の日本版
  業としての中国農村研究――貧困化の好循環の中国版
  義父との語らい――近代工業の必然悪の教え
  第1次訪中と宇井純さんの「権威否定論」
  認識した問題・進まない研究

3.水俣と三池をもって中国へ  原田正純
  文化大革命終焉の時
  東北の旅、大慶コンビナート
  中国にも水俣病
  吉林コンビナート
  心を失わない近代化

4.礼尊往来
  ――日中民法・環境法学術交流を振り返って――  野村好弘
  はじめに
  第1回「人間環境問題訪中団〔昭和54(1979)年〕」
  初の日中環境法シンポジウム〔昭和58(1983)年〕
  日本民法・環境法の講義
  中国の辺境を訪問して
  おわりに――次の世代へ

5.中国環境経済・政策研究の回顧と展望  植田和弘
  はじめに
  中国環境経済・政策研究の始まり
  中国環境問題・環境政策の特質
  中国調査方法論
  中国環境経済・政策研究:若干の展望
  おわりに

6.中国環境問題から日本を考える  橋本芳一
  環境スターウォーズ計画 ―プログラム2025―
  無謀な試みが始まった
  JACKネットワーク ―中国への架け橋―
  協力の場の建設
  時代は変わる東アジアも変わる
  世界史に学ぼう

7.中国環境問題への日本の協力  井村秀文
  中国に抱く想念
  中国の環境問題との接点
  中国の地球温暖化対策研究
  中国の環境問題研究開始
  日中環境協力と日中友好環境保護センター
  チャイナカウンシル
  最後に


第U部 中国環境問題の現在


1.中国北部の水危機  高見邦雄
  はじめに――南北の著しいアンバランス
  1 干上がる農村
  2 後ろ姿の北京は砂上の楼閣
  3 悲願? 切り札? 「南水北調」
  4 オリンピックへの綱渡り
  5 懸念される食糧問題への波及
  結びにかえて

2.石炭と大気汚染問題  堀井伸浩
  はじめに
  1 硬直的な「両控区」政策の問題
   (1)「両控区」政策の概要
   (2)問題点
  2 排汚費制度に見る政策実施上の問題
   (1)排汚費制度の概要
   (2)問題点
  3 大気汚染対策の阻害要因――石炭流通の二重構造
  おわりに

3.廃棄物・リサイクル――産業化と市場化、その拡大と展望――  吉田綾・小島道一
   はじめに
  1 「循環経済」の推進
  2 有害廃棄物処理の状況
  3 ごみ処理
   (1)都市における「ごみ包囲」と農村のごみ
   (2)ごみ発電
   (3)ごみの有料化
   (4)ごみ分別
  4 リサイクル
   (1)輸入廃棄物
   (2)廃電子・電気機器
  5 今後の課題

4.環境ビジネス  石 イ
  はじめに
  1 環境保護市場化改革の始動
  2 環境事業市場化改革の最新動向
   (1)事業形態の多様化(民活方式の試み)
   (2)投資体制改革の意味
   (3)企業側の動向
  3 中国ビジネスの必勝法
   (1)中国人人材の有効活用
   (2)税金問題
  おわりに

5.森林環境をめぐる政策の動向  平野悠一郎
  はじめに
  1 森林環境をめぐる政策への視角
   (1)「歴史」の重要性
   (2)組織的経緯と政策実施システム
  2 近年の森林環境をめぐる政策の動向
   (1)国家プロジェクト
   (2)森林保護政策:伐採規制と森林ゾーニング
   (3)植樹造林政策:農村・都市緑化と全民義務植樹運動
  3 基層社会における政策の影響と問題点
  おわりに

6.第九次および第十次五カ年計画期間における環境保護の取組み  今井千郎
  はじめに
  1 「九五」計画期間における環境保護の取組み
   (1)第九次国家五カ年計画への環境保護対策の組み入れ
   (2)政策の具体化のための10の措置:1996年国務院決定
   (3)国務院決定の実施に関する国務院、環保総局等の決定、
     通知、諸対応
  2 「九五」計画期間中の環境への取組みの評価
   (1)中央政府の見解
   (2)都市レベルでの対応の進展と評価:重慶市
   (3)注目すべき課題での進展の評価
  3 「十五」計画期間における環境保全の取組み
   (1)国民経済と社会発展第十次五カ年計画(2001〜2005)
     への環境保全の基本施策の組み入れ
   (2)国家環境保護第十次五カ年計画


第V部 環境被害救済への道のり


はじめに

1.環境被害・紛争の実態

  1 環境被害・紛争の動向
   (1)被害・紛争の略史
   (2)公式資料からみる被害・紛争の動向
  2 最近の事例
   (1)沱江水汚染事件
   (2)福建省屏南県榕屏聯営化工廠汚染事件
   (3)淮河流域水汚染被害

2.NGOによる被害者支援活動―CLAPVの活動を中心に―

  1 CLAPVの成立
  2 CLAPVへの電話相談の内容
   (1)工鉱業
   (2)第三次産業
   (3)電熱供給設備
   (4)近隣の生活
   (5)工事
   (6)公共施設
   (7)交通
   (8)第一次産業
   (9)その他の問題
  3 CLAPVによる訴訟支援の状況
   (1)概況
   (2)農漁業被害をめぐる紛争への支援
   (3)生活妨害・健康被害をめぐる紛争への支援
   (4)西部地域における訴訟支援活動
  4 他のNGOの動向
   (1)自然の友
   (2)緑色北京
   (3)淮河衛士

3.被害者支援をめぐる民間国際交流

  1 CLAPVと日本の研究グループとの交流の経緯
  2 第1回環境紛争処理日中国際ワークショップの開催
  3 CLAPVとの交流の多面的発展
  4 第2回環境被害救済(環境紛争処理)日中国際ワーク
   ショップの開催
  5 今後の課題と展望



データ・資料



第T部 公式資料


1.公 報

  環境状況公報2003年(摘要)

  2003年中国環境状況公報について
   (1)総論
   (2)淡水環境
   (3)海洋環境
   (4)大気環境
   (5)騒音問題
   (6)工業固体廃棄物
   (7)放射環境
   (8)耕地と土地
   (9)森林と草地
   (10)気候と災害

2.法 律

  第1節 中国環境法の体系
   (1)法の対象となる環境問題
   (2)環境問題の法分野
   (3)環境法の体系(階層構造)
   (4)規範整備の現実

  第2節 環境影響評価(環境アセスメント)
   (1)はじめに
   (2)建設プロジェクト
   (3)戦略的環境影響評価
   (4)今後の課題

  第3節 自然資源保護に関する法政策
   (1)土地管理法
   (2)水法
   (3)森林法
   (4)草原法
   (5)荒地開発に関する法政策
   (6)沙漠化防止および植樹造林に関する法政策
   (7)鉱産資源法
   (8)漁業法
   (9)野生動植物保護法
   (10)特殊地域環境保護関係法

  第4節 森林環境方面の法令について
   (1)法令へのアクセス
   (2)法令の体系
   (3)個別の領域における法令の内容

  第5節 自然保護区、生態モデル区、生態機能保護区

  第6節 大気汚染対策の制度
   (1)大気汚染の排出規制
   (2)総量コントロールと指定地域制
   (3)大気汚染防止改善重点都市
   (4)自動車排ガス対策

  第7節 水汚染対策の法制度
   (1)水汚染への金銭賦課と排出規制
   (2)総量コントロールと指定地域制
   (3)その他

  第8節 廃棄物対策の法制度
   (1)固体廃棄物の種類
   (2)固体廃棄物の無害化処理
   (3)廃棄物を減らすことと廃棄物の利用
   (4)廃棄物の輸入・移動管理

  第9節 中国の汚染課徴金制度
   (1)根拠規範
   (2)徴収対象
   (3)徴収手続
   (4)徴収額の算定方法
   (5)使用目的
   (6)今後の展望

  第10節 環境法の調べ方
   (1)日常使える法令集はあるか
   (2)環境法の専門法令集
   (3)地方の環境法はどうする?
   (4)法の公定解釈
   (5)タイムラグは埋められるか

3.統 計

  1.廃水

  2.廃ガス 

  3.廃棄物・リサイクル
   (1)都市の生活ごみ
   (2)工業固形廃棄物
   (3)再生資源の輸入

  4. 工業汚染処理投資

  5.エネルギー
   (1) 総論
   (2)個別エネルギー

  6.環境行政組織

  7. 環境問題に関する行政への投書・来訪等

  8. 環境汚染・破壊事故による被害

  9.森林関連

  10.自然保護区・世界遺産

  4.国家環境保護「十五」計画

  一、環境保護「九五」計画の達成状況と現在の環境情勢

  二、指導思想と目標

  三、主な任務

  四、計画実施のための保障措置

  五、重点プロジェクトと投資


第U部 NGOと国際協力


1.中国の環境NGO

2.NGO・各種団体による日中環境協力

  1 注目される日本NGO
  2 対中環境協力活動を行う日本のNGO・各種団体

3.政府間協力及び国際機関・団体の活動

  1.日中政府間の環境協力

  1 資金・技術移転の枠組み
   (1)政府開発援助(ODA)
   (2)グリーンエイド・プラン
  2 政策対話・協力の枠組み
   (1)日中友好環境保全センター
   (2)日中韓環境大臣会合(TEMM)
   (3)自治体間の協力
   (4)地球環境研究総合推進費制度などによる共同研究

  2.多国間の環境協力

  1 東アジア酸性雨ネットワーク(EANET)
  2 北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)

  3.クリーン開発メカニズム(CDM)

  1 中国のCDM体制
   (1)地球温暖化対策にむけた体制
   (2)CDM管理体制
   (3)中国政府が持つ課題

  4.諸外国政府機関、国際機関、国際NGOの活動

  1 諸外国政府機関
  2 国際機関
  3 国際NGO

  あとがき

  編集・執筆・協力者一覧








編集・執筆者



明日香壽川
(東北大学東北アジア研究センター教授)(編集代表/データ・資料第II部3編集・執筆)
片岡直樹
(東京経済大学現代法学部教授)(編集代表/データ・資料第I部1・2編集・執筆)
大塚健司
(日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター)(編集代表兼事務局/特集第III部/データ・資料第I部3編集・執筆、4編集、第II部1監訳、3)
相川 泰
(鳥取環境大学環境政策学科専任講師)(編集代表/特集第III部/データ・資料第I部3、第II部1監訳・執筆、2編集)
宇井 純
(沖縄大学名誉教授)(特集第I部1)
小島麗逸
(大東文化大学名誉教授)(特集第I部2)
原田正純
(熊本学園大学教授)(特集第I部3)
野村好弘
(東京都立大学名誉教授・明治学院大学法学部教授)(特集第I部4)
植田和弘
(京都大学教授)(特集第I部5)
橋本芳一
(慶応義塾大学東アジア研究所客員所員)(特集第I部6)
井村秀文
(名古屋大学大学院環境学研究科教授)(特集第I部7)
高見邦雄
(緑の地球ネットワーク事務局長)(特集第II部1)
堀井伸浩
(日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター)(特集第II部2/データ・資料第I部3)
吉田 綾
(東京大学大学院工学系研究科博士課程)(特集第II部3/データ・資料第I部3)
小島道一
(日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター)(特集第II部3/データ・資料第I部3)
石 イ
(株式会社タクマ国際事業本部国際営業部業務課)(特集第II部4)
平野悠一郎
(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)(特集第II部5/データ・資料第I部2、3)
今井千郎
(国際協力機構国際協力専門員)(特集第II部6)
奥田進一
(拓殖大学政経学部専任講師)(データ・資料第I部1・2)
北川秀樹
(龍谷大学法学部助教授)(データ・資料第I部2)
櫻井次郎
(名古屋大学大学院国際開発研究科助手)(データ・資料第I部2)
橋智子
(東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程)(データ・資料第II部2編集・執筆)
大野木昇司
(国土環境株式会社北京事務所技術渉外主任)(データ・資料第II部3)


協力者


広瀬一好
(ひろせ事務所)
崔萌萌
(北京地球村)
向 虎
(早稲田大学−北京大学共同教育研究運営機構)
廣瀬稔也
(東アジア環境情報発伝所代表)
孫 エン
(東アジア環境情報発伝所)
朱恵ブン
(東アジア環境情報発伝所)
ENVIROASIA中文和訳チーム
(東アジア環境情報発伝所)









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(株)蒼蒼社 編集部