中国情報源[2004-2005年版]●●



はしがき    目次   内容見本  


情報源

21世紀中国総研編
A5判 472頁 定価3,150円
2004年4月刊


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はしがき



 本書は書名のとおり、中国研究、中国ビジネスあるいは中国事情を知りたいという人々に対して、情報収集のノウハウを提供するものである。
 中国に関する情報は、中国が高度成長を遂げるなかで、量的にも質的にも著しく拡大・発展している。WTO加盟を果たした中国に求められているのは情報の公開性であり、制度の透明度を高めることである。日中間のヒト、モノ、カネ、テクノロジーの交流によってもたらされる情報はむろんのこと、新聞、雑誌、単行本、年鑑、テレビ、ラジオ、映画、パソコンソフト、インターネットなど様々なメディアに情報があふれ、むしろそれらをフォローするのが大変な時代である。
 情報は出来るだけたくさんあるのが望ましいには違いないが、消化できない情報をかかえこんでいても仕方ない。むしろ、何処にどんな情報があり、誰がどのような情報をもっているかという人脈をもち、どうすればそれらを入手できるかという「情報」をもち、必要なとき的確な情報を引き出すことができるかどうかが肝要であろう。本書は、そうした意味での「情報源」を紹介すると同時に、情報収集のノウハウと情報源へのアクセスを提供している。
 本書は隔年刊行である。旧版の1993−1994年版、1995−1996年版、1997−1998年版、2000−2001年版、2002年−2003年版の編者は三菱総合研究所であったが、2004年−2005年版から21世紀中国総研が編集する。編集の枠組みは旧版を基本的に踏襲して、新鮮な情報内容をもりこんだが、ここ数年のインターネットの普及による「情報革命」に留意して、インターネットによる中国情報収集を拡大した。
 これで十分というわけではないことは編者自身が痛感しており、至らないところは関係各位の御鞭撻を賜り今後より良いものにしていきたい。
 本書は、文字通り様々な“情報源”を担う人々の御理解と御協力によって出来あがっている。アンケート、葉書、電話、ファックス、電子メールなどでの問い合わせに対して快くご協力下さった各位ならびに関係機関に厚く御礼を申し上げる次第である。

                                                       2004年4月15日
                                           21世紀中国総研事務局長 中村公省






目 次



はしがき

「21世紀中国総研」創立にあたってのよびかけ

[特集1]中国情報の探索・収集術

1.チャイナ・ウォッチングの情報源
2.人脈・現場主義・実践
3.日本の新聞が伝える中国情報の読み方
4.中国発信の「日本」イメージへの対処法
5.日中経済摩擦の情報源
6.米中経済摩擦の情報源
7.中国環境保護情報の収集
8.中国統計資料の収集
9.中国専門図書館の利用
10.英語世界における中国情報収集

[特集2]インターネットによる中国情報サーフィン

1.インターネット中国情報へのアクセス
2.インターネットを使った中国語圏との情報交換テクニック
3.情報化社会への三部曲――政府、企業、家庭のネット化
4.インターネットで読む中国の新聞
5.中国ニュースを伝える中国発日本語サイト
6.日本の官庁サイトのオススメ中国情報源
7.日中経済団体のホームページ
8.日本企業の在中Webサイト
9.在中国バーチャル日本人村の生活情報
10.地方公共団体の中国駐在員レポート
11.民間研究所の中国経済レポート
12.中国関連書籍と雑誌・雑誌記事資料の検索術

[特集3]中国ビジネスのための情報源

1.中国WTO加盟文書に関する情報源
2.中国対外経済情報の収集
3.中国産業動向についての情報源
4.中国自動車産業情報の収集
5.中国エレクトロニクス産業情報の収集
6.中国金融情報の収集
7.中国進出企業動向についての情報源
8.中国ビジネスの会計・税務情報
9.中国ビジネスのための法律情報
10.北京におけるビジネス情報の収集
11.上海におけるビジネス情報の収集
12.中国マーケティングの情報収集

第T部 中国情報の得られる書籍
1.ベーシックな工具書類
   (A)中国概観
   (B)政治・外交
   (C)経 済
   (D)ビジネス
   (E)統計類
   (F)企業ダイレクトリー
   (G)辞書類
   (H)地図類
   (I)中国旅行・滞在案内
   (J)その他工具書
2.中国に関する定期刊行物
   (A)日 刊
   (B)週 刊
   (C)旬 刊
   (D)月2回刊
   (E)月 刊
   (F)隔月刊
   (G)季刊・不定期
   (H)年 刊
   (I)その他中国経済情報の得られる雑誌
3.中国を読み解く本・毀誉褒貶

第U部 中国情報の得られるニューメディア
1.中国を知る日本語Webサイト
   (A)総合情報
   (B)ニュース
   (C)地域情報
   (D)ビジネス・経済
   (E)機関・団体
   (F)研究・学術
   (G)留学・語学
   (H)観光・旅行
   (I)書店
2.中国を知る中国語Webサイト
   (A)経済・産業情報
   (B)ポータル・ニュース他
   (C)政府機関
   (D)直轄市・省・自治区
   (E)主要都市
3.無料・読み得の中国経済レポート
   (A)政治・社会
   (B)体制改革
   (C)経済政策
   (D)産業動態
   (E)エネルギー・環境
   (F)企業・市場動向
   (G)地域経済
   (H)対外経済
   (I)通貨・人民元
   (J)日中経済関係
   (K)対中ビジネス
   (L)統計・調査
4.中国関連の掲示板・メーリングリスト・メールマガジン
   (A)掲示板
   (B)メーリングリスト
   (C)メールマガジン
5.中国語関連パソコン・ソフト
   (A)Windows用
   (B)Palm OS及びPocket PC用
   (C)TRON用
   (D)Macintosh用
   (E)問い合わせ先一覧

第V部 日本における日中関係機関・団体

1.日中の友好交流・姉妹都市
2.日中友好交流の機関・団体
   (A)学術・技術
   (B)友好交流
   (C)文化交流
   (D)留学生交流
3.日中経済協力の機関・団体
   (A)日中経済・貿易の機関・団体
   (B)日中経済関係弁護士・監査法人
   (C)経済協力の機関・団体

第W部 日本における中国研究者と機関
1.日本のチャイナ・ウオッチャー
2.日本の中国研究機関・学会
   (A)研究機関
   (B)学会
3.中国に関する専門図書館
4.日本の中国書籍専門書店

第X部 在中・在日の関係機関・団体
1.在中国の日本公館・報道機関・経済団体
   (A)在中国の日本公館
   (B)在中国の日本報道機関
   (C)在中国の日本商工会・日本人会
   (D)在中国の日本経済団体
   (E)在中国の日本人学校
2.日本企業の中国支店・駐在員事務所
   (A)在中国の日系航空会社支店
   (B)在中国の日系銀行支店
   (C)日系企業の中国駐在員事務所
3.在中国の日系現地法人のホームページ
4.在日本の中国の機関・団体
   (A)在日本の中国公館
   (B)在日本の中国報道機関
   (C)中国企業の駐日事務所
   (D)在日本の香港・マカオ特別行政区機関
   (E)在日本の華僑総会
   (F)在日の台湾の機関及び情報源





内容見本



人脈・現場主義・実践




 私の中国に関する情報収集方法は次の三つをモットーとしている。すなわち、「人脈」、「現場主義」そして「実践」である。この三つのキーワードは、ともかくさまざまなところに出かける、ということである。この中で、もっとも重視しているのは「人脈」である。情報イコール人脈であり、人脈をつくることが有力な情報を得ると考えており、その人脈づくりのために金と時間を惜しむな、そして、どこにでも出かけて行く、足で歩く(現場主義、実践)というのをモットーとしている。私のいう「人脈」とは中国のさまざまなパートナーとの人脈を作ることも指しているが、ここでは、主として、情報収集のための人脈づくりを指している。
 情報が氾濫している今日にあって、いかにインターネットが普及しているとはいえ、すべての情報を常時ウオッチしているわけにはいかない。ただし、重要なことは、どのような情報が「どこ」にあり、その情報を得るには「誰」とコンタクトすればよいか、という「情報」を持っていることが重要である。
 その「誰」(人脈)を作るには、さまざまな方法があるが、筆者が励行しているのが、各種研究会、セミナー、パーティーなどへの参加であり、内外のマスコミ(新聞記者)との意見交換、在外公館外交官との情報交換である。
 新聞記者との意見交換(私は「飯を食べる」といい、北京や上海に行くたびに食事をしながら意見交換を行う)は、情報を得るだけではなく、「消息筋」の出所を探ることもできる。それによって、そのニュースが“新聞”か“旧聞”か、または信憑性はどうかがチェックできる。
 次に私は、「現場主義」「足で歩く」をモットーとしている。ネット上での情報収集も重要であるが、その確認が必要である。中国の「現場」(現地)に出かけ、人にあってこそ生きた情報が入手でき、また情報の正否が確認できるのである。
 現地調査の場合には、そのやり方も重要である。大きくはミッション(代表団)での調査と個人での調査があるが、前者は組織に所属していないと難しいかもしれない。ミッションも実務ミッションと表敬ミッションがあるが、後者の場合には、できるだけ高級ミッションに参加することが望ましい。高級ミッションとは、政府および企業のトップミッションであるため、自分の判断で参加できるわけではないが、機会があれば積極的に参加すべきである。
 「高級」の「高級」たるゆえんは、中国の有力指導者に会えるかどうかである。普段は入れない中南海(紫光閣)、人民大会堂、釣魚台迎賓館などでの要人との会見、宴席の機会があるからである。それ自体も貴重な経験になるが、言葉に自信があれば、中南海や迎賓館での服務員(女性公務員)との何気ない会話から、思わぬ副産物(情報)を手にすることができる。私は、フォローのためにも、特別な用事がない場合にも、時間があれば、土産をもって迎賓館の友人を訪ねることにしている。中国の情報を得るには、まめな“努力”が必要なのである。
 ミッションの場合には、雑務に追われず、中国を視ることができるというメリットがあるが、逆に路地裏まで視ることができず、「走馬看花」(群盲象を評す)の域を出ない。一人旅は面倒なことが多いが、別の中国(本当の中国)が見えてくる。特に、地方視察の場合には、交通アクセスの不便さや思わぬアクシデントに出くわすことも多いが、中国の現実を見るうえでできるだけ一人で出かけるのがよい。昨今は、華やかな上海、しかも「新天地」(いまの上海で最もおしゃれな一角、中国共産党第一回全国会議跡の裏)だけをみて、中国は語れない。むしろ、郊外・農村を見てこそ、真実に迫ることができる。
 地方にでかける場合にも、できるだけ地方指導者とも面会すべきである。なかなか、個人での面会は難しいが、それを可能にするのが日頃の人脈づくりの賜物である。地方指導者との面会では、時には、他地方との比較などを通じて、やや挑発的な質問をぶつけるのがよい。最近では、中央も地方も率直な議論ができるようにはなったが、依然として、おざなりの質問では、出てくる回答も「金太郎飴」となってしまう。具体的には、たとえば、上海での質問は、香港や北京との比較を行い、大連に行った場合には、深センや広州との比較で質問するなど、相手の痛いところ、ないし、自信をくすぐるような質問をするなどの工夫が必要である。
 しかし、気をつけなければならない点もある。中国の各地方には、大体、省都と商業発展都市の両方がある。一般には、商業都市の方が発展しており、かつ外資進出も多い。省都は政治の中心であり、党・政府の所在地であることから、許認可権限をバックに外資誘致を奨励するが、外資は沿海のインフラ条件のよい商業都市を選択する。
 この両市のそりが合わないことがよくある。それを知らずにそれぞれを持ち上げたり、あるいは 省都への表敬なしに、商業都市(進出都市)だけでことを済ませようとすると、問題が起こることがある。
 遼寧省でいえば、省都は瀋陽、商業都市は大連であり、外資進出や開放度合いは圧倒的に大連が優勢である。山東省は、済南(省都)と青島がこれに該当する。遼寧も山東も現在では、省都と商業都市の間を高速道路で結んでおり、両者のさまざまな距離を縮めようとしている。四川省ではかつての成都と重慶の関係であったが、重慶の直轄市への昇格によって、やや事情が変わった。
 地方視察のアレンジを依頼する窓口が各地方政府の外事弁公室(外弁=waiban ワイバン)である。中央官庁も同じであるが、外国人が中国の機関を訪問する場合、訪問部署がわかっている場合でも、最初はこの外弁に連絡する必要がある。それをしないで直接交渉すると、外弁の面子がなくなり、その後は視察もやりにくくなる。現地では、「泣く子もだまる外弁」などともささやかれている。
   この外弁との関係を作っておくと、その後、一人で出かけた場合にもさまざまな便宜を図ってくれる。もっとも、こうした関係を作るには、彼らとの人間関係を緊密にするために、食事や宴会も欠かせない。昨今、中国でも政府役人への接待が難しくなっているが、地方では遠来の客を招く、招きに応じることは依然衰えていない。利権がらみの接待は控える必要があるが、交流や人脈づくりの接待は必要である(ここでも、「金を惜しんではならない」)。
 私は中国の機関への訪問の際には、外弁、指導者の秘書などを窓口としているが、直接のパイプを持たない場合には、有力な取引先や別の組織に委託してもよい。最近、私は広東にあるエージェントを使うようになった。政府機関、企業へのアポイントは外弁を使うより早く、実現性が高い。もちろん、ただではないが、費用よりも確実性が優先される。
 次に、「実践」である。「現場主義」とも同じことであるが、各種の動向を確認、分析するにあたって、ともかく参加できるものには参加するということである。もとより、これには、資金が必要である。この「カネを惜しんではならない」「自腹を切ることを覚悟しなくてはならない」ことはいうまでもない。
 最近の経験を紹介しよう。いまは香港での証券会社勤務という立場上、中国企業の上場関連の情報収集に時間をかけている。新規に株式を公開する(IPO)というニュースに接したら、すぐに、幹事銀行にでかけ、目論見書を入手するようにしている。目論見書には、上場する企業の業界情報、市場情報が含まれているからであり、さながら、産業調査レポートを入手することと同じである。
 次に、香港では2004年2月25日から人民元の個人業務が始まった。早速、人民元口座の開設を行ったが、金利が銀行間でバラバラである。蓄財することが目的ではなく、口座開設にどのぐらい人が集まっているか、人民元を持ち込んでいるのか、香港ドルを換金して人民元を預金しているのか、などさまざまな情報を入手できる。
 さらに、いえば「現場主義」にも入るが、最近は上場企業のヒアリングが中心になり、財務指標や工場の稼動状況などをみながら、上場企業の業績評価を行っている。
 2003年9月に3度目の香港駐在となった。職場は変わったが、基本的に仕事の内容は同じである。立場上、上場企業の業績などミクロ情報の収集が増えたことがこれまでとは違う点である。かつて香港情報は玉石混淆であり、「香港情報」(うわさ話で、真実ではない)として処理されていた。しかし、香港は情報のルツボであり、時には世界に先駆けて、「玉」があったことも事実である。したがって、香港情報イコール香港人脈を形成することが中国情報にとって不可欠であった。筆者も2回にわたる香港駐在経験から、これまで香港の重要性を強調してきた。
 しかし、香港は97年の返還によって、その影を薄くし、「香港情報」も減価しているように思われる。その原因は、中国(本土)の情報開示が始まったこと、香港のチャイナウオッチャーが少なくなっていること、香港のマスメデイアが北京への気遣いから内部情報の公開を控えていることなどと思われる。
 香港の新聞を例にすると、これまでは大陸系(大公報、文匯報)、左派系(明報、信報)、中立系(香港経済日報)、台湾系(東方日報)、右派系(りんご日報)などに分れ、中国報道をめぐってもそれぞれの主張やリーク記事があり、それらの行間から中国情勢を分析したものだった。
 現在では、一応の系統はあるものの、その区別が明確ではなく、おしなべて同じになってしまった。この中で、筆者が最低2紙を購読するとすれば、「大公報」と「香港経済日報」を挙げる。前者は大陸系の代表として、中国の公式発表をフォローするうえで必要である。後者は広東情報に強く、広東省の人事をフォローするうえでは他を圧倒している。
 香港のチャイナ・ウオッチャーはマスコミ、研究者ともに、80年代に比べると極端に少なくなっている。優秀な記者は北京、上海駐在となっており、邦人記者の場合にも、香港は経済部出身者が中心で、外信部(外報)出身者は北京あるいは台湾に移っている。マスコミだけをみると、北京詣でを行い、人脈を作ったほうがよいかもしれない。
 昨年も香港訪問中の薄煕来遼寧省長(商務部長就任)の昼食会(有料)に出席したが、日本人は小生以外、いなかった。名刺交換し、少し話しをする程度の「人脈つくり」であるが、重要な機会であり、今後、会見アポの取り付けができるかもしれない。
 香港の情報基地としての価値は衰えはしたが、依然重要である。とくに、華南でのビジネスを展開する人にとっては、香港に何らかの拠点を設置することが成功の秘訣ともいえる。(稲垣清/東洋証券亜洲エコノミスト)





民間研究所の中国経済レポート




 民間の研究所サイトには有料の経済レポートと無料のものとが混在している。市場調査や業界内部調査などを専門にする有料レポートのなかには優れたものも少なくないが、ここでは中国ビジネスを支援する金融機関関連研究所を中心に無料レポートだけを取り上げたい。
 メガバンク系統の研究所は近年ことのほか中国情報提供に熱心である。彼らの中国ビジネスは、日系現地企業をターゲットにしており、日本におけるプラン段階、中国における実行段階の水際で支援サービスをして、現地法人のメインバンクの地位を築くことを戦略目標にしている。そのために様々な中国投資ガイドをつくり、webサイトでアップデートなデータ、調査報告、研究論文を惜しげもなく提供し、現地においては現地銀行と提携した金融サービス、現地自治体と組んだサービスを組織化している。
 四大邦銀(みずほ、東京三菱、三井住友、UFJ)の中でWEBサイト上での無料情報サービスで一頭抜きん出ているのはみずほ総合研究所(http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/asia.html)である。その調査レポート庫をみると「中国内陸部(重慶、成都)のオートバイ、自動車産業集積の現状」「中国内陸部の現状と発展可能性」「中国・浙江省の経済・産業の特徴と投資環境」「中国・浙江省南部を中心とする民営企業の動向」「中国動向:多様化・深化を迫られる中国ビジネス」など力作レポートが目白押しである。ここの中国室には伊藤信悟研究員、細川美穂子研究員という名うての調査員がいるが、最近活躍が目覚しいのは香港の重並朋生研究員のレポートである。
 国際協力銀行(http://www.jbic.go.jp/japanese/research/about/index.php)は円借款など有償資金協力の執行と日本企業の国際金融等業務支援事業を行っているだけに、中国に関する情報も充実している。開発金融研究所報のなかに「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告―海外直接投資アンケート調査結果」が潜んでいる。日本企業の中国への直接投資の現況、趨勢を見るための最も重要な資料である。また、中国各地の投資環境データを集積した冊子を提供している。@北京市・天津市・河北省編、A上海市・江蘇省・浙江省編、B広東省・福建省編、C遼寧省・吉林省・黒龍江省編、D湖北省・江西省・陜西省編、E山東省編、F重慶市、G四川省編の8冊。無料とは信じられないような立派な出来である。
 「中国投資関連情報」で特別コーナーを作っているのは海外投融資情報財団である(http://www.joi.or.jp/)。全土284の経済開発区が並んでいて、クリック一発で各経済開発区の詳細情報に飛び、アクセス、優遇措置、特色などの基本情報を経て、地図まで表示できる。
 地域の中小企業を客筋にしている信金中央金庫総合研究所(http://www.scbri.jp/)も中国の投資環境情報に熱心である。「環渤海地域」の青島市、大連市、「華北地域」の天津市、「華南地域」の東莞市、「華東地域」の浙江省嘉興市、江蘇省蘇州市、上海市、浙江省の状況がレポートされている。この研究所には気鋭のウオッチャー黒岩達也研究員がいて実証的で力感のある調査報告をリリースしている。
 中小企業総合事業団は中小企業の国際化支援を大きな柱にしており、そのサイト(http://www.jasmec.go.jp)には中国進出に即役立つ案内、実践的な調査報告が詰まっている。「よくある質問」では中国の投資環境、投資手続、投資運営、撤退対策などの初歩的質問に懇切に答えている。なかみが濃いのは「海外展開中小企業実態調査」で、アンケート編では中小企業の中国を中心とする海外展開の状況と展望が、インタビュー編では海外展開の動向と経営課題が調査・報告されている。中国進出中小企業の経営実態を皮膚感覚でつかむ最有力資料である。
 中小企業金融公庫(http://www.jfs.go.jp/)は、「中国進出中小企業の実態調査」を2000年以来毎年つづけている。同公庫レポートのなかには、「大手自動車メーカーの中国進出と中小部品産業への影響と対応」、「中国の産業高度化と日系中小企業の経営戦略」、「中国国内市場開拓を目指す日系中小企業の戦略と課題」などボリュームのある報告もある。
 民間の研究所では中国人チャイナ・ウオッチャーの活躍が目立つ。三井物産戦略研究所(http://mitsui.mgssi.com/)の沈才彬中国経済センター長や富士通総研経済研究所(http://www.fri.fujitsu.com/)の柯隆主任研究員、朱炎主任研究員らのレポートはそれぞれに読みごたえがある。
 専門に特化している研究所も少なくなく、極めて有用な調査レポートを提供してくれている。
 国際貿易投資研究所(http://www.iti.or.jp/)は直接投資と貿易の専門研究所である。このサイトの国際比較統計は充実していて@直接投資、A商品貿易、Bサービス貿易の世界各国横並びの比較シートが掲載されている。研究報告としては「中国の成長企業−中国の地場企業の現状と今後の見通しに関する調査研究」、「中国の投資環境に関する国際比較に係る調査研究」などがある。
 農林中金総合研究所(http://www.nochuri.co.jp/)は農林漁業関連の中国レポートを集積していて、「中国農業金融改革が動き始めた」「WTO加盟後の中国における日系食品企業の動き」「中国農村合作経済組織の企業形態と諸類型」などの好論がある。
 エネルギーについては日本エネルギー経済研究所(http://eneken.ieej.or.jp/)に限る。各国別横並びに中国のエネルギーの基本情報がコンパクトにまとめられている。中国レポートとしては「中国における電力産業の第11次5ヵ年(2006〜2010年)計画策定」「中国の海外権益原油について−中国石油天然ガス集団公司(CNPC)を中心に」「深刻!中国の電力需給」「中国の石油産業の管理体制について−改革・再編の背景とその影響を中心に」などが目立つ。
 中国の東北開発との関連で注目されるのは環日本海経済研究所のサイトである(http://www.erina.or.jp/)。北東アジアの基礎経済統計があり、中国については東北都市の経済データが中国地図とともにコンパクトにまとめられている。
                                        (中村公省/21世紀中国総研事務局長)





中国関連書籍と雑誌・雑誌記事資料の検索術




 中国関連資料を職場や自宅に居ながらにして、インターネットによって探し、必要ならばその資料のありかをつきとめる方法について解説する。新聞や官庁が発行する資料、中国専門図書館については、他の項目で解説されているので、本項では図書と雑誌、雑誌記事を探す方法について記述する。

 日本の図書・雑誌の検索
 ◆オンライン検索サイト 近くの本屋から注文等によって手に入るかどうかを調べるには、Books.or.jp (ホームページ版: http://www.books.or.jp/, モバイル版: http://mbooks.or.jp/) を覗くことをお薦めする。このサイトは、(社)日本書籍出版協会が国内で発行された入手可能な書籍(62万(2004年3月末時点))を検索可能にして公開している。ホームページの場合、出版社をクリックして連絡先を確認できるため、電話やネットで出版社に直接注文できる。ページ下には、「楽天」などのオンライン書店のバナーがあるため、それらを通して入手することも可能である。
 ◆中国専門書店のサイト 目当ての資料が見つからない場合は、中国専門書店のサイトを訪れてみよう。東京・神保町にある「東方書店」(www.toho-shoten.co.jp/) のサイトでは、国内図書・中国図書を検索することができる。新刊書や経済関係の書籍をテーマごとに紹介しており、中国の雑誌を注文して定期購読することもできる。
 ◆図書館の検索サイト 以上のサイトで資料が見つからない場合は、図書館の検索サイトを調べてみよう。
 Jcross(図書館と本の情報サイト) (http://www.jcross.com/index.html) は、1つの資料について、全国の図書館208 サイト(2004年3月末時点)を横断して検索することが可能である。直接各図書館のサイトにアクセスする場合には、日本図書館協会の公立図書館のリンク集 (http://www.jla.or.jp/link/public.html) が役に立つ。ネット上で貸出・予約状況の照会や予約を確認できる所もあるため、出向く前に一度確認するとよいだろう。
 ここで見つからない場合は、国立情報学研究所のサイトを調べてみよう。全国の大学図書館で所蔵している図書・雑誌を調べることができる。日本語図書の場合は、WebcatPlus (http://webcatplus.nii.ac.jp/) で検索すれば、目次や帯・カバーなどに書かれた内容も検索・表示することが可能である。また、NACSIS Webcat (http://webcat.nii.ac.jp/) は日本語の雑誌・中国語の資料を調べることができる。中国語の資料は、特に英語版で検索する必要があるが、簡体字を入力しなくとも対応する日本語漢字で検索可能である。検索語の後ろに「*」を付けて前方一致検索するのがコツである。
 上記のサイトでヒットしても、一般に利用を開放している大学図書館は限られている。その場合は、国立国会図書館のサイトを調べてみよう。NDL-OPAC (http://opac.ndl.go.jp/) は、日本語の図書・雑誌、雑誌記事を調べることができる。郵送または図書館に出向いて利用者登録をすれば、自宅や職場からインターネットにより資料のコピーを申し込み、郵送で取り寄せることもできる。
 以上のサイトで見つからない専門的な資料は、「9.中国専門図書館の利用」で紹介されている中国専門図書館(アジア経済研究所図書館など)のホームページで調べてみよう。

 中国語の図書・雑誌の検索
 中国語が読め、中国語原文の資料を探したいという場合には、以下のようなサイトを検索してみよう。
 ◆日本の中国専門書店の検索サイト 中国で出版された資料を探すには、日本の中国専門書店で調べるのが最も手近だろう。「書虫」(http://www.frelax.com/sc/) はネット専門の書店であり、書籍以外にもDVDやVCD等も取り扱っている。福岡・博多にある「中国書店」のサイト(http://www.cbshop.net) も、中国で出版されている図書・雑誌を検索することができる。
 ◆中国の書店の検索サイト 新刊の図書は新華書店のbook800 (http://beijing.book800.com/) や人民書城 (http://www.people.com.cn/GB/14738/index.html) で検索可能である。新聞・雑誌の価格や出版社を調べるには報刊園 (http://www.china-bk.com/)や北京報刊発行局 (http://www.bj-bkfx.com.cn/orderonline/query_bk1.asp) で調べるとよい。
 ◆中国のオンライン書店サイト オンライン書店としては、BOL china(www.bolchina.com/)、当当書店(www.dangdang.com/) 、中国図書網(www.bookschina.com/) などがある。主に週刊誌、大衆紙の最新号の目次・内容紹介は中華期刊展示網 (www.magshow.com/) で見ることができる。中国期刊網(CNKI) (http://www.cnki.net) では、各種データベースがあり、学術雑誌の論文タイトル検索等ができる。無料で利用できるのはタイトル検索までであり、全文を見るには有償となる。しかし、大学・機関・企業単位で申し込めば、無料トライアルで一ヶ月使用することができる。日本の東方書店にミラーサイトが存在する。
 ◆中国の図書館検索サイト 中国国家図書館のサイトでは、国家図書館聯機公共目録 (http://210.82.118.4:8080/F/) で、1975年以降約67万タイトルの図書を検索することができる。検索するには「匿名登録」を選択する。雑誌は、中文期刊数据庫 (http://nlc1.nlc.gov.cn:7777/seaqikan.htm) にて、雑誌約4万タイトル、新聞約1,500タイトルが検索可能である。資料の複写を中国語、日本語、英語のいずれかで、航空便、FAX、電子メールにて申し込むこともできる。
 大学図書館のサイトではCALIS聯機公共書目査詢(http://opac.calis.edu.cn/) がある。「総合目録」では中国全国の大学図書館所蔵の資料を検索することができる。「中文現刊目次」ではIP登録をクリックすれば、雑誌記事を検索することができる。清華大学が提供する国内上網図書館 (http://www.lib.tsinghua.edu.cn/chinese/otherlib/) からは中国国内の図書館サイトにリンクすることができる。
 以上のサイト検索で、お目当ての資料が手に入るかどうかはわからないが、探す時間や手間はぐっと減るはずである。                      (竹下智恵/21世紀中国総研事務局員)








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