175線2800dpi256階調って?
前回、イメージセッターでつくる印刷の版をつくるフィルムが2値で記録されていることを述べました。
オフセット印刷の場合、網点で画像を形成します。その網点は規則的に配置されますが、その間隔は通常1インチ(2.54cm)あたり175個です。つまり145μm四方のスペースのなかで網点の大きさが変化していくのです。このように階調が変化していくセルの1インチあたりの個数を線数と言います。またppiで表現もします。ppiとはピクセル・パー・インチです。印刷は175線というわけです。
イメージセッターではその網点を2値のドットの組み合わせで作ります。では通常用いられる256階調だとどうなるのでしょうか。256は16x16ですので、16x16のます目をセルの中に作ります。1辺ですと、1インチあたり175個のセルの中に16個のドットになりますから、1インチあたり175x16=2800、つまり2800dpi(ドット・パー・インチ)となります。そしてこのイメージセッターで作った画像は、175線2800dpi256階調というわけです。(実際のイメージセッターでは色ごとにスクリーン角をつける等の理由で、3000dpi以上の解像度で記録している場合が多いです。)
例えば、720dpiのインクジェットプリンターが3x3のドットでセルを作って階調を作っているとしますと、720dpiで240ppiということです。カタログではたいがい720dpiとしか書いてませんが..。銀塩方式のプリンターのピクトログラフィーでは400dpiで記録しますが、その一画素で濃度(階調)を表現しますので、400dpiで400ppiということになります。単純にdpiの数値だけで画質を考えることはできないことがわかります。
写真の画質は階調性が非常に大切です。それに対して文字は解像度が高いことでなめらかに文字を再現することができます。インクジェットプリンターのように写真画像をプリントすることが多いプリンターは一般に階調性を優先し、テキストをプリントすることが多いページプリンターは解像度を優先します。ページプリンターでは最近では1200dpiをうたっているものもあります。また、トナーを使用するカラーページプリンターでは写真画像と文字画像を両方出力することが要求されるので、たとえば400dpiで一画素で面積階調をするものが多いのです。
イメージセッターでは、たとえばポストスクリプト(PS)書類では、文字はアウトラインフォントを2800dpiで滑らかな曲線に形成して、イラストなどのハーフトーンでは16x16のセルで濃度に応じた網点を作ります。(実際はPSでは、8x8のセルで半月状の網点をつくり、隣のセルが同じ濃度であった場合にそのセルと合わせて円形の網点にします。175線の画像でも350線相当のデータを必要なのはこのためです。)このように一つの画像の中でも、その画像の種類(文字、ハーフトーン、写真画像)によって画像処理を変えています。
デジタル画像を高画質で出力するためには、プリンターなど出力機器に関してはそのdpiだけでなく、階調をどうやって表しているか、グラデーションをどうやって作っているか、フォントはどうやっているかなどを調べていくことが必要です。
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