印刷も2値です

前回、2値化の話をしました。一部のモニタやインクジェットプリンターなどで2値記録が利用されていることを述べてきました。ところで、ご存知の方には当たり前ですが、印刷もいまやほとんど2値記録です。現在印刷物のほとんどを占めるオフセット印刷は版に2値記録で網点を形成して印刷しているのです。

オフセット印刷は版にインクの画像をつくってそれをいったんローラーに移してから紙に転写する方法です。版のうち特に現在良く用いられているPS版は水がつきやすく表面処理したアルミ板に感光性の層が塗られており、ここに露光することによって像を作ります。次に現像工程でインクをのせたくない部分の感光層を取り去って版のできあがりです。実際に印刷するときはこの版にまず水を塗布すると感光層のないところに水がつき、インクをはじくことができます。そしてインクをつける工程で感光層のあるところにインクがつくわけです。(水あり系のPS版のはなしです。水なし平版というやり方もあります。)

オフセット印刷は濃度を網点の大きさで表します。上に書いたような印刷方法ではインクの厚さを自由に変えることができないために、その面積によって濃度をあらわすのです。さて従来はこの網点化はコンタクトスクリーンという、規則正しい周期で透過濃度を変えてあるスクリーンフィルムに原稿を重ねて、非常に硬調な(ガンマの立った)フィルムに焼き付けることにより作っていました。

右の図の上のようにコンタクトスクリーンは規則的な透過率を持つフィルムです。このコンタクトスクリーンに原稿である60%と30%の濃度の画像を重ねると真ん中の図のようにその透過率は原稿の濃度によって変わります。そしてこの重ねたフィルムを透過した光を硬調の銀塩フィルムに露光させ現像するのですが、硬調フィルムがたとえば真ん中の図の細線を閾(しきい)値となるようなものであれば、下のような網点が原稿の濃度に応じて作られるわけです。

現在はデジタル化が進み、版を作るために必要なフィルムはほとんどにイメージセッターで作られるようになりました。
このイメージセッターは2値の銀塩プリンターなのです。おおざっぱに言ってしますと、たとえば256階調の濃度を256個のドットで網点化して表現します。256個ですと16x16のマトリックスで、低濃度からだんだん網点を大きくするようにドットを増やしていくわけです。

今、印刷は大きな技術革新の時代にきています。それは従来の版下、校正刷り、製版、印刷というしくみが変わり、DTPからダイレクトに版を作るCTPという方法やあるいはそのしくみを印刷機に内蔵させて一気に印刷までしてしまう印刷機まで出現してきています。これらは印刷原稿のデジタル化あってこその技術なのです。

このようにわれわれが見かける印刷物のほとんどすべてが2値化して網点化している画像です。しかし、この手法はデジタル化が始まる前から、スクリーンフィルムと硬調フィルムの組み合わせによって実現していました。スクリーンで画素を区切って、硬調フィルムで2値化していたというわけです。



1.「デジタル画像の大きさについて」
2.「画像の出力いろいろあります」
3.「はじめての2値化」
4.「印刷も2値化画像から」
5.「175線2800dpi256階調って?」
6.「デジタル画像の入力」
7.「CCDセンサーの仕組み」
8.「デジカメのダイナミックレンジ」
9.「デジカメ画像はレタッチできますが..」

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