大切な明暗の調子
配色や構成を考えるときは、ややもすると、色相が先行しがちであるが、色彩の調和についても同様だが、とくに写真の場合は、明暗の調子がきわめて重要な要素であることを知っておく必要があろう。
というのも、色のない黒白写真は対象の明暗だけしか記録できないわけだが、それでいてものの立体感や距離感は十分に出せるからである。色も大切だが、あるいはそれ以上に明暗の要素、つまり画面内の明度関係が重要だということである。
カラー写真は、対象物の明るさという要素に加えて、色相、彩度をも記録するという、より優れた機能をもっているわけだが、たとえば、背景に使った派手な色が主題との距離感をなくし、立体感をそこねるといったように、明度の扱い方によってはかえってまずい結果をもたらすこともあるということを考えて起きたい。
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