色と象徴
色によって何を連想し、どんな感じがするかは個人差が大きいが、それぞれの色は何らかの連想を生む。たとえば、赤は赤く沈む太陽と炎からその強烈なエネルギーを連想し、もっとも刺戟的、積極的、活動的な色としてとらえられる一方、赤信号が示すように一方では危険を象徴する色でもあり、また幼稚な原始的な、野蛮な色、また血の色からくる恐怖の色でもあり、革命の色でもある。

青系統の色は、スペクトル上においても赤の反対側にあるように、赤が感情を大きく刺戟して興奮させる色であれば、青は感情を迎え沈める色として作用する。赤が積極的、前進的、情熱的な色であるのに対し、青は消極的、退歩的、理想的な色であり、冷淡、孤独、悲哀などを暗示する。赤が人の心理に火をつける炎の色であれば、青はその炎を打ち消す水の色である。

緑の色は緑の芝生を連想させるように、われわれに自然のやすらぎを与える平和な色であり、安全、新鮮、成長、公平、希望、着実といったように、悪い連想はせいぜい青二才、未熟(グリーン)、虚弱といった程度で、悪い連想はほとんどない。波長的にも中間的で眼を安ませる色でもあり、すべてが赤と青の中間、もっとも中庸な色である。したがって、積極的でもなければ消極的でも、熱くも冷たくもない。

黄色は暖色系であり、太陽の暖かさ、愉快、快活、といった感情をひきおこし、日本人にとっては愉快なかんじが多いようだが、欧米ではイエローは病気とか臆病を暗示し、嫉妬、猜忌、陰気、卑劣など不快な意味が多いとされる。また、幼児の交通安全色として、黄色い帽子や黄色のランドセルのカバーが使われるように、有彩色のなかではもっとも目立つ色であり、明視度が高い色である。

カラー写真でも、黄色の発色はいやが上にも目立つ。そして、もっとも判別しやすい色はいわゆる虎の皮と呼ばれる黄色地に黒の斜めのシマであり、これは踏切などの交通標識に用いられているのはご承知のとおりで、もっとも明視度が高いとされる。
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