色の重量感
同デザインのカバンでも、黒いカバンはずっしりと重い感じがするもので、白など明るい色のカバンは軽く感じられる。中身の重さが同じでも、色によってこのように重量感は感覚的に著しく異なってくるわけだが、これは、色の三属性のなかでは主として明度によって支配され、同じ色でも明るい色は軽く暗い色は重く感じられる。

室内装飾では、普通は明色系を上に、暗色系が下に配置されるのは、逆にすると安定感が崩れ、心理的に不安や圧迫感が生じるからだが、衣服などではスポーティな服装には上に暗色、下に明色系を用いて軽快な感じがつくられることも多い。

これは、写真の画面構成にもあてはまる。暗色(モノクロでは黒などのマッス)を下に、明色を上に配置すると落ち着いた安定した感じが得られ、逆の構成ではある場合には不安定、しかしある場合には軽快な躍動的なダイナミックな効果が得られるのは、空は明るく地は暗いという自然の明暗関係からくる心理にもとづくものといえよう。
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